上場企業9か月ぶりの倒産!? 債務超過の日本海洋掘削、会社更生手続開始へ

日本海洋掘削

 

以下は、昨日6/22(金)のニュースです。

世界の海上での石油や天然ガスの掘削事業を国内で唯一手がける日本海洋掘削は22日、東京地裁に会社更生法の適用を申請し、受理されたと発表した。負債総額は単体で約904億円。油田やガス田掘削の需要低迷が響いた。

 

同社は1968年に設立され、石油資源開発や三菱マテリアルが大株主。世界各地の海洋で、やぐら(リグ)を使った石油や天然ガスの掘削を請け負ってきた。

原油安で油田やガス田掘削の需要が低迷し、新型のリグ2基への過大投資で業績が悪化。2018年3月期まで3期連続で純損益が赤字となり、18年3月末時点で155億円の債務超過に陥っていた。

 

オランダの連結子会社も同時に会社更生手続きを申し立てた。こちらの負債総額は約321億円。

日本海洋掘削の別の連結子会社が海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」の運用を受託しているが、市川祐一郎社長は「従来通り続けていく」としている。

出典:朝日新聞デジタル(2018.6.22)

 

日本海洋掘削は今月22日、油田やガス田掘削の需要低迷から経営破綻し、東京地裁に会社更生法の適用を申請・受理されたと発表しました。

会社側は「ちきゅう」の運用は継続しながら再建を目指すとしています。

 

経営再建を模索しましたが、業況が厳しく自力再建が困難と判断し、今回の措置となりました。

 

負債総額は単体で約904億円で、この負債額は2018年に入って最大となります。

 

 

1.[1606] 日本海洋掘削とは

日本海洋掘削

 

日本海洋掘削は、日本唯一の石油・天然ガスの海洋掘削事業として設立されました。

主力の事業は産油国の石油会社やオイルメジャーから依頼を受け、巨大なリグという移動式の海洋掘削装置を使って海洋掘削を行い、石油や天然ガスを掘り当てることにあります。

長年蓄積してきた高度な掘削技術、リグ操業ノウハウ・プロジェクトのマネジメント力は、顧客から高い評価を受けており、2014年3月期には連結売上高401億3400万円をあげました。

 

しかし、

 

 

近年は原油価格の下落に伴う石油会社の掘削意欲の減退から受注が減少し、2018年3月期まで3期連続で営業損失、経常損失、親会社に帰属する当期損失を計上しました。

 

 

今回の会社更生手続申請の経緯を簡潔に説明すると、

 

①「HAKURYU-15」建造プロジェクト損失引当金繰入額171億円を特別損失で計上し、

②「HAKURYU-12」リース契約損失引当金繰入額51億円を売上原価に算入し、

③2018年3月期には親会社に帰属する当期損失454億円を計上し、

 

これらのトリプルパンチでノックアウトし、債務超過に転落しました。

 

 

2.経営破綻に至った要因とは!?

日本海洋掘削

要因1 原油価格の下落

1つは原油価格の下落が業績を直撃したことが挙げられます。

2011年から2014年にかけてWTIの年間平均価格は1バレル=90ドル台でした。

ところが、2014年秋から2015年にかけて原油価格が急落し、2016年2月には1バレル=26.21ドルを記録しました。

⇒この原油安の要因は、米国のシェールオイル増産にともなう過剰供給!

 

これにより、資源開発会社は多くの油田開発を中止・延期したため、世界的にリグの需要が冷え込むこととなりました。

加えて、掘削会社に支払われる作業日当も減り、リグをこれまでと同じ日数稼働させても売上減になる、という状況に陥りました。

 

この影響を受け、日本海洋掘削のリグの平均稼働率も、

2011年度:98.2%

2016年度:18.6%

大幅ダウンとなりました。

 

業績も悪化し、2016年3月期から3期連続で赤字となりました。

 

要因2 大株主等からの追加支援がなかった

日本海洋掘削の株主には、石油資源開発、三菱マテリアル、国際石油開発帝石と大企業が名を連ねています。

 

 

各社の出資比率は、以下の通りです。

  • 石油資源開発…30.97%
  • 三菱マテリアル…20.05%
  • 国際石油開発帝石…6.40%

 

そして、これらの企業が支援するのかについては、同社が6/7に発表したこちらのIRの通りです↓

 

 

この内容から読み取ることができるのは、

 

  • 実質、経営破綻です。(約2週間後に本当に経営破綻)
  • だから大株主に増資お願いしたよ。でも助けてくれないみたい…
  • でも、7月に新しいスポンサー探してくるから待ってて!

 

結局、支援者探しを待たずして、会社更生手続を申請することとなりました。

 

 

3.まとめ

日本海洋掘削は、いくつかの危険シグナルを出してきましたが、最終的には経営破綻する結果となりました。

上場企業の破綻は、郷鉄工所以来、9か月ぶりとなります。

 

今回の経営破綻に至った要因について、上記に挙げませんでしたが、当時の経営陣が勝負に出るタイミングを誤ったことも要因一つだったのかもしれません。

同社は、2014年に最新鋭リグを2基導入することを決めましたが、その理由は当時、原油価格の高騰が続くと見ていたためです。

 

 

ちなみに、現在の市況は、原油価格が1バレル75ドル前後まで値を戻してきており、再び海洋油田の開発案件が増え始めているようです。

同社ももうひと踏ん張りできるチャンスがあったかもしれません。

 

 

今後も、企業のIRに注目して投資をしていきたいと思います。

 

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