株式投資

割安優良株の宝庫! 東証2部投資の魅力とは

東証2部

 

東証2部の銘柄は一見、地味で目立ちませんが、磨けば光る“ダイヤの原石”のような企業がたくさん存在します。

早速ですが、以下は日経平均と東証2部指数の過去5年間の推移です。

 

東証1部 東証2部

※参照:マネックス証券アプリ「MONEX Trader」

 

東証2部は、長期的に見ても緩やかに上昇しており、全体相場の下落局面においても大きく値下がりしない動きとなっています。

今回は、東証2部銘柄の魅力と、直近3年間で東証2部に新規上場を果たした企業についてまとめました。

 

1.東証2部投資最大のポイントは「割安感」

株式投資

指標PERで比較してみると、東証1部の14.79倍、JASDAQの15.81倍に対し、東証2部は10.02倍です。(2018年3月30日現在)

また、割安さの一端を示す事例については、リーマン・ショック前の市場で猛威を振るったアクティビストの動きに表れていたと言えます。

かつて、米国投資ファンドのスティール・パートナーズが日本でTOBした銘柄には、東証2部のユシロ化学とソトーがあります。ユシロ化学はその後、東証1部に鞍替えとなりました。

その後も同ファンドは、ブルドックソースや明星食品など多くの東証2部銘柄の買い付けを行った経緯があります。

また、村上ファンドが日本初の本格的な敵対的TOBを実施したのも、当時2部銘柄だった昭栄(現・ヒューリック)です。その後、東証1部に鞍替えとなりました。

企業価値を最重視する投資家が割安な2部銘柄に注目している!

>>TOBについてはこちらの記事でご紹介しています♪

 

2.東証1部への昇格期待も

買い物

単に割安なだけでなく、着実に業績を伸ばしている企業も非常に多く、「優良株の宝庫」である2部市場は魅力的な市場と言ってもいいでしょう。

そして、このような銘柄の中には、近年1部指定されるものも増えています。

東証1部上場企業となれば、信用力向上だけではなく、大手機関投資家の運用対象になる可能性があります。

特に、公的年金のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)など、日本株の多くをTOPIX連動で運用している場合が少なくありません。

したがって、東証1部に指定によりTOPIX算出対象となれば、機関投資家の機械的な買い注文流入も見込まれます。

 

3.直近3年で東証2部上場を果たした企業一覧

以下は、直近3年間で東証2部に新規上場を果たした企業です。

赤字東証2部時代に株主優待を実施し、1部昇格を果たした企業
緑字東証2部時代に株主優待を実施したが、2部上場のままの企業

上場日 コード 企業名 業種 東証一部昇格日(上場後経過年)
2015年4月21日 3458 シーアールイー 不動産業 2016年5月20日(1年1か月)
6月25日 6167 冨士ダイス 機械 2017年4月12日(1年10か月)
8月26日 6171 土木管理総合試 サービス業 2016年10月4日(1年1か月)
8月28日 3139 ラクトジャパン 卸売業 2017年9月8日(2年)
9月8日 1434 JESCO 建設業 〈東証2部のまま〉
12月11日 3924 ランドコン 情報・通信業 2018年5月30日(1年6か月)
12月24日 3465 KIスター不動産 不動産業 2016年12月26日(1年)
12月25日 6186 一蔵 サービス業 2016年12月27日(1年)
2016年3月3日 7811 中本パックス その他製品 2017年9月5日(1年6か月)
3月18日 6237 イワキポンプ 機械 2019年3月15日(3年)
4月21日 3539 ジャパンミート 小売業 2018年7月13日(1年2か月)
10月17日 7190 マーキュリアI 証券・商品先物取引業 2017年12月18日(1年2か月)
12月19日 6540 船場 サービス業 2017年12月20日(1年)
2017年3月22日 6546 フルテック サービス業 2018年3月22日(1年)
3月23日 6547 グリーンズ サービス業 2018年3月23日(1年)
4月10日 7940 ウェーブロック 化学 2018年4月10日(1年)
7月29日 3480 ジェイエスビー 不動産業 2018年7月20日(1年)
10月31日 7196 Casa その他金融業 2018年10月31日(1年)
12月21日 7199 プレミアグループ その他金融業 2018年12月25日(1年)
12月25日 6566 要興業 サービス業 〈東証2部のまま〉
12月26日 9268 オプティマスG 卸売業 〈東証2部のまま〉
2018年1月9日 1443 技研HD 建設業 〈東証2部のまま〉
3月19日 6570 共和コーポ サービス業 〈東証2部のまま〉
3月20日 3447 信和 金属製品 2019年3月20日(1年)
6月21日 9273 コーア商事 卸売業 2020年6月15日(2年)
9月6日 9275 ナルミヤインター 小売業 〈東証2部のまま〉
10月1日 6699 DEHD 電気機器 2019年10月1日(1年)
10月1日 5290 ベルテクスコーポ ガラス・土石製品 〈東証2部のまま〉
12月13日 7670 オーウェル 卸売業 〈東証2部のまま〉
2019年2月27日 4430 東海ソフト 情報・通信業 〈東証2部のまま〉
3月12日 7673 ダイコー通産 卸売業 〈東証2部のまま〉
3月19日 1451 KHC 建設業 〈東証2部のまま〉

※ジェイエスビー、コーア商事は記念優待のため、1度限りの優待。

 

●この表からわかること
  • 2部上場した企業のほぼ全社が、1部へ昇格している!
  • 2部上場した企業の多くが、株主優待の新設を経て1部昇格を果たしている!
  • 2部から1部への市場変更は新規上場1年後というケースが多い!
  • [6570]共和コーポ、[9273]コーア商事は株主優待を発表したので、近い将来1部昇格が予想される!

 

以上のリストで、直近3年間のIPOの2部への新規上場銘柄をまとめましたが、象印マホービンのように上場後、長い年月を経て1部昇格を果たしている例もあります。

東証2部銘柄をリストアップして、お宝銘柄を発掘しましょう。