マーケットの“クジラ” 世界最大の年金基金GPIFって何?

GPIF

 

タイトルの通り今回は、「GPIF」に関する記事です。(某JIにインスパイアされて書きました)

「GPIF」という言葉を聞いて年金というキーワードが浮かぶ人が多いかもしれません。

時に「クジラ」とも呼ばれ、テレビや新聞で耳にしたことがあるかと思いますが、GPIFは具体的に何をしている機関なのでしょうか。

 

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)とは

GPIFとはGovernment Pension Investment Fundの略称で、日本において厚生年金と国民年金の年金積立金を管理・運用している。GPIFは、年金基金としては世界最大の規模で、約160兆円を運用している。

 

0.まずは年金の基本知識

GPIFの説明に入る前に、まずは日本の公的年金制度の特徴を簡潔に解説します。

 

日本の公的年金制度 -3つの特徴-
  • 国民皆年金(国民全員加入)
  • 社会保険方式(みんなで保険料を拠出)
  • 世代間扶養(現役世代の保険料負担で高齢世代を支える)

 

この項目に関して、ニュースでよく話題となるのは、「世代間扶養」でしょう。

ご存知の方も多いと思いますが、年金の仕組みは、自分の支払った年金保険料が積み立てられて、そのまま老後に自分が受け取るというわけではありません。

現役世代の支払った年金保険料を、年金受給世代に給付する方式を取っています。

世代間扶養の仕組み

国民年金

出典:年金積立金管理運用独立行政法人HP

 

また、少子高齢化が急速に進行しているため、

「私たちの世代は、年金保険料を払い続けても将来年金をもらえないかもしれない…」

というように若い世代の不安の種になっています。

こうして、少子高齢化に伴い保険料からの財源が減る中で、年金の一部の運用を担っているのが「GPIF」なのです。

 

マイ

私たちや子どもの将来に不安を残さないためにも、年金のことやGPIFの活動についてはしっかり理解しておくことが大事ね。

 

けーさん

その通りです。続いては、本題「GPIF」の説明です。

 

1.GPIFの運用の仕組みとは

GPIFは、厚生労働大臣から年金積立金の管理・運用を任されています。

実際の運用は、信託銀行や運用会社に委託し、一部の国内債券はGPIF自身が運用しています。

信託銀行や運用会社は、国内外の債券市場や株式市場で取引を行い、その運用収益をGPIFに納めて手数料を受け取っています。

GPIFは、この収益を国庫に納付し、それが年金給付の原資になります。

 

信託銀行の役割についてはこちらの記事をご参照ください↓

資産管理信託銀行
四季報の大株主欄に登場する日本トラスティ信託口や日本マスター信託口って何?
四季報を読む際、PER・PBRや業績をよく見る方が多いと思いますが、ど真ん中にある株主欄を意識したことがありますか? 大株主をチェックしていると、大手企業の場
2018-09-24 17:00

 

2.GPIFのポートフォリオ方針

年金積立金管理運用独立行政法人は「長期的な観点から安全かつ効率的な運用」を行うため、各資産を組み合わせた資産構成割合を「基本ポートフォリオ」として定めています。

具体的には、「安全かつ効率的な運用」を行う観点から、次のような割合で伝統的4資産を組み合わせて運用を行っています。

 

伝統的4資産とは

伝統的資産とは、上場株式や債券などの投資対象のことを指し、特に国内株式、国内債券、海外株式、海外債券の4つの資産が伝統的資産と位置付けられている。伝統的資産に対し、伝統的資産以外の新しい投資対象や投資手法のことを代替的資産、オルタナティブといいます。(オルタナティブと区別するために作られた言葉のため、運用商品の商品名などにあらためて「伝統的資産」と銘打たれていることはほとんど無い)

GPIF 基本ポートフォリオ

gpif

※年金積立金管理運用独立行政法人HPを基に作成

 

あくまで、上記のパーセンテージは基本方針であり、乖離許容幅も策定されています。

長期的な運用においては、短期的な市場の動向により資産構成割合を変更するよりも、基本となる資産構成割合を決めて長期間維持していく方が効率的で良い結果をもたらすという考えの下、中期的な方針として、このパーセンテージが設定されています。

 

3.GPIFの運用は伝統的4資産だけじゃない!?

安定的な年金運用を続けるためには、伝統的4資産だけに頼ることができません。

2015年度から始まったGPIFの中期計画では、新しい投資手法を取ることが明記されていました。

それが、オルタナティブと呼ばれる伝統的4資産とは異なる資産への投資です。

 

GPIFが投資を認められているオルタナティブ資産は、

  • インフラ(電力・鉄道など)
  • 不動産
  • 非上場株(プライベートエクイティ)

の3つで、これらは伝統的4資産との相関性が低いのが特徴です。

⇒分散投資の効果が高い!

 

インフラ投資に関しては、長期にわたり安定した利用料収入が期待できます。

ちなみに、GPIFが取得しているのは、インフラ投資の中でもコア型と呼ばれる、国民生活や経済活動に不可欠で、当局による規制環境が確立されているインフラ資産に投資する投信です。

 

オルタナティブ投資の割合は、GPIFの資産全体で言えば0.2%に達していない状況ですが、今後少しずつ割合を高めていくそうです。

 

4.まとめ

銀行

市場の「クジラ」、GPIFは求められている運用利回りを低リスクで達成することを目指し世界最大ともいえる資産を運用しています。

GPIFは国内外の債権や株式にだけ投資をしているのではなく、インフラや非上場株といったオルタナティブ資産にも投資しています。

 

 

GPIFの活動は公式Twitterでも確認ができます。興味を持った方はフォローしてみましょう。

 

 

スポンサーリンク