今月15日会社四季報夏号が発売されました。
みなさんは四季報をどのように活用していますか?
また、どの項目をもっとも重要視していますか?
私の場合、四季報での銘柄選定で最重要としているのは、売上と経常利益と時価総額です。
上記3点に重きをおき銘柄を大まかにふるいにかけ(この時点で70~90銘柄に絞り込み)、その後、欄外マークや四季報見出しで補完し、銘柄選びをしています。
今回の記事では、私の四季報読破で心がけている“変化に気づき投資判断すること”、について考え方を解説します。
“変化に気づく”とは
“変化に気づくことは大切です”
そんなフレーズは投資をしていれば何度でも誰でも言っていますし耳に入ってきます。
B to C企業であれば、
- 「〇○がブームになっている」
- 「▲▲がネット上で問題になっている」
というように、ちょっとアンテナを張っていれば時代の流れや変化を感じ取ることはできるでしょう。
しかし、自分が関わらない分野であれば、当然情報が入ってきません。現状すらハッキリわからないのに変化を感じ取るなんてまずムリです。
そこで、業界の流れも含めて、簡潔に企業の近況と今後の予測を掲載してくれているのが会社四季報です。
変化に気づくと言っても、業績の変化なのか業態の変化なのか、見る点によってはどうとでも取れる言葉ですが、
四季報を読む上で、時短かつわかりやすく比較できるのは見出しとその本文だと私は考えています。
続いて、タイトル記載の通り、
私が前号の2018年2集春号を読み、[3645]メディカルネットを選定したときの考え方についてです。
[3645]メディカルネットを選定したワケ
四季報2018年春号を読んだとき、メディカルネットを選定し、四季報到着翌日に即買いしました。
⇒次の四季報が発売されるまでの間に、株価1.5倍を達成!
選定した経緯は、春号以前の四季報見出しとその内容の変遷を確認したことです。
詳しい説明は後にして、まず、メディカルネットの2017年夏号から時系列順で見出しとその内容の変遷をたどってみましょう。
こちらが2017年3集夏号の見出し。
18年5月期は収益柱のポータルサイトが美容・エステの苦戦を歯科の奮闘で埋める。子育てアプリなど新規事業が上乗せだが、開発費、人件費、広告宣伝費など立ち上げ負担重く営業利益は微増程度。
明らかにマイナスな内容です。
新規事業がまだまだ始まったばかりでイニシャルコストがかさんでおり、全体的に利益が出てない印象を受けます。
続いて、2017年4集秋号では・・・
柱のポータルサイト運営は歯科・美容・エステとも利用者増え広告収入拡大。新規の歯科医支援事業も上乗せだが、担当営業員などの採用増加で人件費負担増。広告宣伝費もかさみ利益微増程度。
やはり利益面の改善は見えません。
しかし、人員を増強しているということなので、今後、事業拡大に向けた準備フェーズともとらえられます。
続いて2018年1集新春号では・・・
柱のポータルサイト運営は矯正やインプラントなど歯科向け順調に増え広告収入膨らむ一方、美容・エステ伸び悩む。新規の歯科経営支援も苦戦。新規事業中心に人件費増。広告宣伝費も重く回復鈍い。
人員増の負担が尾を引いており、事業も伸び悩んでいる様子がうかがえます。
人員増や広告宣伝費増の効果が表れるのはいつになるのか、これが気がかりです。
そして売買判断の鍵となった2018年春号。
柱のポータルサイトは美容・エステが鈍いが、矯正やインプラントなど、歯科向け順調で広告収入膨らむ。歯科経営支援で費用先行も、業務効率化や人員再配置効果想定超。営業増益幅拡大。19年5月期はポータルサイト順調、歯科経営支援も改善。
明らかに今までの評価が一転して、プラス要因で埋め尽くされています。
そして欄外マークには前号比増額・会社比強気の文字があります。
過去3冊分を読んだ上での仮説
実際に過去3冊分の見出しを確認してみると、ひたすらマイナス要素が前面に押し出されていました。
が、今回の春号では欄外マークもさることながら、見出しとその内容が急に改善していることを確認!
↓
チャート的にはヨコヨコが続いていましたが、この春号を転換点に株価水準が見直されるに違いない!
と仮説を立てました。
結果、四季報春号発売後から上昇トレンドとなり、6月中旬には4ケタ台にまで一時回復しました。
Chart:MONEX Trader
2018年夏号で気になる銘柄
2018年夏号でメディカルネットのような値上がりを期待しているのは、[3985]テモナです。
[3985]テモナ
四季報見出し
新春号【費用増】→春号【負担期】
そして今回の夏号では【独自増額】
欄外マーク
↑前号比増額 ☺会社比強気のマークがついてます。
※ちなみに今までの四季報では増額や強気のマークの記載歴は無し。
大株主
今まで大株主に名を連ねていなかった片山晃さん(五月さん)が夏号から登場!
IR
夏号発売時点では、分割・立会外分売を実施しており、鞍替えに向けた動きが見られます。
テモナは株主優待の新設はあるか?については配当がそもそも出てないから可能性薄と回答したいところですが、最近はコラボスやチェンジなど、配当も出さず先に優待新設する新興企業多いですのでなんとも。
2Q時点で経常利益の進捗は72%。昨年通期上方が発表されていましたが今年度も・・・
様々な要因から、この3か月間はテモナに注目したいと思います。
まとめ
長くなりましたが、今回の内容を簡単に総括するとすれば、
自分が四季報から絞り込んだ銘柄を、過去の四季報の見出しとその内容の変遷から、業績の転換点を読み解きましょう。
ということです。
メディカルネットについてなら見出しは言うまでもありませんが、記事内容に関しても、足を引っ張っている様子だった歯科経営支援が改善したということも、過去の四季報を読むことで確認することができます。
(これは当然、日頃の決算を読んでいれば有利ですが、一つ一つ決算書を読んで覚えておくなんてことは至難の業ですので、銘柄を絞り込んでから決算書の事業状況のページを開く、でもいいと思っています。)
かつて足を引っ張っていた採算の悪い新規事業が花開いて、今やその会社の重要な事業になっている例をコラボスの銘柄研究をした際に実感しました。
このような変化に気づくことも投資の面白さであり、醍醐味と私は考えます。
過去記事:[3908]コラボスの銘柄研究↓
最後になりますが、
大幅強気・大幅増額(ダブルにこちゃん・ダブル上矢印)の銘柄を探し出して四季報を読んだ気になって、三流な銘柄選定をすることからは脱却しましょう。
四季報を漬物石にするか宝の地図にするかはあなた次第( ’∀’ )bです。