以下は、1/17(木)のニュースです。
[2228]シベールは、30年8月期は売上高26億7092万円と減収に歯止めがかからず、3期連続の営業赤字を余儀なくされ、継続企業の前提に関する重要事象を記していました。ラスクのシベール、「成功体験から脱却できず」民事再生法申請
パン・洋菓子の製造販売「シベール」(山形市)は17日、業績不振から民事再生法の適用を山形地裁に申請したと発表した。
負債総額は19億6200万円(平成31年1月17日時点)。
同社の黒木誠司社長が同日夜、記者会見し謝罪した上で「(商品の)ライバル出現もあったが、ラスクで得た成功体験から脱却できず新商品開発ができなかった。また資金調達ができず民事再生法の手続きを取った」と述べた。
その上で「経営責任を痛感しており、民事再生法の一定の目処が立った段階で退任したい」と述べた。
出典:産経新聞(2019.1.17)
キャッシュフローも悪化し、資金繰りが限界に達し31年1月18日に支払い期限が到来する債務の弁済が困難となり、民事再生法の手続きを行うこととなりました。
1月17日付で東京証券取引所より整理銘柄に指定され、その後に上場廃止となる見通しです。
民事再生法って何!?
経営破綻した企業の事業を再建するための法的整理の手続きの一つ。裁判所の監督のもと、強制力を持つ形で債権者の利害を調整し、破綻企業が負う債務の削減を進める。
民事再生法で上場廃止となるのは、2017年7月27日に上場廃止となったエアバッグ大手のタカタぶりとなります。
山形県での上場会社の倒産は、2000年9月に民事再生法の適用を申請した配電盤・制御盤製造の川﨑電気(現・かわでん)以来となります。
ちなみに川﨑電気は、山形県に本社を置く企業として初の上場企業でした。
※ちなみに、日本海洋掘削は、民事再生法ではなく、会社更生法によって上場廃止しました。
1.[2228]シベールとは
シベールは、1966年に熊谷真一氏が創業し、2005年7月にJASDAQ上場した洋菓子メーカーです。
山形、仙台を拠点に置き、贈答用ラスクが特に有名で、通販で全国販売を展開しています。
店頭販売のほか、通信販売、百貨店などの卸売りを手がけ、ピークとなる2008年8月期には売上高44億5389万円をあげていました。
ラスクブームの立役者でもありました。
売れ残りのフランスパンをラスクにして販売した「ラスク・フランス」が評判を呼び、会社は急成長していきました。
当時、贈答用ラスク販売企業としては異例の株式公開と話題になっていたそうです。
そんなイケイケだったシベールにいったい何が!?
2.民事再生法申請に至った経緯とは!?
業績不振の理由として、次の2つが挙げられています。
要因1 贈答文化の変化
贈答品の売上が減少したことが経営悪化の大きな要因と言えます。
売上減少の理由は、個人や企業の歳暮ギフトの激減に加え、少額化が進んだことが挙げられます。
要因2 販売不振と資金調達難
「ラスク・フランス」に競合商品が現れ、同社から「ラスク・フランス」に代わるヒット商品が生み出せず売上高は減少の一途をたどっていました。
ブランドやパッケージの統一、通信販売の見直しなどの改革を進めましたが、業績回復に結びつかなかったようです。
また、人件費の抑制が進まず、2016年8月期から3期連続の赤字となり、30年8月期の売上高は26億7000万円にまで落ち込み、今期に入っても採算性の改善が進まない中、借入金返済のメドがたたず、自力で再建を断念する形となりました。
シベールは今後どうなっちゃうの!?
なんと早くもスポンサー企業が名乗りをあげていると1月20日のニュースで発表されました。
<シベール>名古屋のパン・菓子会社「オールハーツ・カンパニー」が支援へ
民事再生法の適用を申請したジャスダック上場の洋菓子メーカー、シベール(山形市)に対し、名古屋市のパン・菓子メーカー、オールハーツ・カンパニーがスポンサーとして支援する方向で両社が調整を進めていることが19日、関係者への取材で分かった。
オールハーツ・カンパニーは2002年創業で、「ハートブレッドアンティーク」などの屋号の店舗を全国に展開している。
出典:河北新報オンラインニュース(2019.1.20)
全然聞いたことない会社ね~
ココって有名なの!?
昔、一大ブームになったPastelの「なめらかプリン」は同社の系列が展開しているんですよ!
なめらかプリン!そこの系列だったのね~
オールハーツカンパニーは上場していませんが、同社と業務提携をしているヴィアHDの株を買うと、優待でパステルのプリンをお買い求めできますのでご参考に♪
3.まとめ
山形県に本社を置く数少ない上場企業の一つ、シベールが民事再生法手続きに伴う上場廃止が決定されました。
一時のブームや成功体験に甘んじて、新しいヒットを生み出すことができなかったことが同社の最大の課題であったと思います。
民事再生法手続きから、数日足らずで支援企業が現れましたので、上場廃止までの数週間、同社株がマネーゲーム化することが予想されます。
今後のオールハーツカンパニーの事業展開と再建の手腕には注目が集まります。
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