最近、[7203]トヨタ自動車が愛車サブスクリプションサービスを始めるってニュースで聞いたんだけど、、「サブスクリプション」って何?
サブスクリプションとは「買い切りで利用開始時にサービスを購入するのではなく、サービスの利用期間に対して料金を払う仕組み」です。「定額制」の料金形態がこのモデルとなります。
このビジネスモデルは、一度登録するとそのサービスが生活の一部となりなかなか離脱しなくなることから、不景気にも強いサービスモデルであると考えられています。
サブスクリプションサービスは、音楽配信や映像配信が代表的です。
音楽配信サービスは、かつては1曲ずつ購入するのが当たり前でしたが、最近では「1か月◯◯円で聴き放題」といったサービスを提供するSpotify、Apple Musicなどが台頭するようになり、利用者数を急速に増加させています。
また、音楽配信だけでなく、HuluやU-NEXTなどの映像配信にもこのビジネスモデルが採用されています。
「格安料金で見放題にして、ビジネスとして成り立つのか?」と他人事ながら心配になりますが、1本1本だと映画を買わない人が、まとめてならで入ってしまう上に、一度自動引き落としにすると、利用しなくても退会するのを忘れてダラダラと続けている人が多く、十分ビジネスになるそうです。
ううっ…Netflixの会員になって結局アナ雪しか見てない私のことを言われている気が…
このサブスクリプション型ビジネスは、非デジタルの世界にも徐々に浸透し始めています。
column ネット業界以外でもサブスクリプションが導入された例
継続的かつ安定的に収益を見込めるため、小売業界・飲食業界でもこのビジネスモデルは導入されています。
サブスクリプションに関して、飲食業界で先駆けとも言えるのが、はなまるうどんの例です。
2006年にはなまるうどんは、月額500円でかけうどん小を1日1杯食べることができる「うどん定期券」というサービスを実施していました。
また、ファッション業界では、[8214]AOKIホールディングスが今年4月に月額料金の支払いでスーツを毎月送ってもらえる「スーツボックス」というサービスを実施しました。
※上記は、いずれも期間限定のキャンペーンであったため現在は実施していません。
そもそも、サブスクリプションってどうして最近になって話題になっているの?
1.サブスクリプションが注目される背景とは
①ユーザーの意識の変化(所有から利用へ)
まず、一つ目の背景として挙げられるのが、ユーザーの購買行動の変化です。
近年、消費者の選択基準となっているのは、「所有すること」よりも「使いやすいこと」です。
所有価値から利用価値へと価値意識が変化をしていることが注目される背景と言えます。
②スマホの普及
サブスクリプション型ビジネスが浸透した背景として、スマホの普及と通信回線の高速化・安定化が挙げられます。
いつでもどこでも、手軽に動画を提供することができる環境が整ったことは大きな要因と言えます。
③カスタマーサクセスの重要性
サブスクリプションに注目が集まっている背景として特に重要なのが、マーケティングにおいてカスタマーサクセスの重要性が高まっている点です。
買い切り型のサービスと比べ、サブスクリプション型のサービスはユーザー1人当たりに一度で得られる価格は小さく、長く使い続けてもらうことで利益を生み出します。
ですので、ユーザーに少しでも長く、提供しているサービスを「使っていたい」と思い続けてもらうために、「サービスに課題はないか」「どうすればもっと使いやすいサービスになるか」と先手にアクションを行う、カスタマーサクセスの概念が必要となったのです。
サブスクリプション型ビジネスでは、顧客がサービスを購入したら終わりではありません。
継続して利用してもらうことで利益が生まれます。
つまり、既存顧客をいかに継続して満足させられるかにフォーカスする必要があり、ユーザーとのより良い関係性をサービス全体を通して提案し続けていくことが非常に重要になります。
2.サブスクリプション型ビジネスのメリットとは
サブスクリプション型ビジネスをサービスに採用するメリットとは何でしょうか。
企業目線・ユーザー目線、それぞれ整理してみましょう。
企業側
- ユーザーの定着によって、顧客ベースでの継続的な収益を見込める
- 顧客管理がしやすい
- 顧客の購買履歴からフィードバックを受けることができる
- 顧客との関係を直接構築することができる
ユーザーと長期的に良好な関係を構築することで、継続的な利益が見込める点がサブスクリプションの大きな強みと言えます。
ユーザー側
- 都度支払いの手間が省ける
- 効果が出なかったり満足できなかったりした場合、気軽に解約できる
- 必要な期間がわかっている場合、期間を決めて利用できる
- 頻繁にアップデートされ、常に最新のものを利用できる
- 買い切りで所有するわけではないため、気軽に利用できる
所有することによる負担がなく、また、自分にあったものを気軽に試し、気軽に利用できることがこのモデルの魅力と言えます。
3.まとめ
代表的なサービス、Hulu、Netflix、Spotifyの3社がアメリカで定額サービスを始めたのは2008年です。
近年は、小売業界・飲食業界といった非デジタル領域でもサブスクリプション化しており、継続的かつ安定的に収益を見込めるため、各業界で注目されています。
サブスクリプションは、提供する側にとって顧客との関係を直接構築できることや、月額利用料により収益が安定することに加え、顧客にとっても都度支払いの手間が省けるなど沢山のメリットがあります。
その一方で、顧客が満足しなければ解約されるリスクが高まるといったデメリットもあり、ニーズを正確に汲み取ることが今まで以上に重要になります。
冒頭のお話ですが、トヨタが取り組みをスタートさせることで、今まで以上にサブスクリプションへの関心は高まるとみられます。
今後大きなテーマとして取り上げられるかもしれません。
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