ココカラファインの件で「経営統合」が話題になりましたが「経営統合」と「合併」の違いって説明できます?
えっ意味一緒じゃないの…!?
どちらも広い意味では複数の会社が一緒になるということですが、明確に違いがあるんです。
今回の記事で、この2つの違いについて解説していきます。
1.「経営統合」と「合併」の違いとは
大きな違いは、一緒になる企業が全部残るか否かという点です。
経営統合はそれぞれの会社が残ることになります。一方で、合併は1社のみが残ることになります。
一般的に、経営統合とは「複数の企業が、持ち株を管理する新しい会社(持ち株会社)を作り、その傘下に入ること」を指します。
X社とY社が持ち株会社方式で経営統合する場合、2社で持ち株会社(例:XYホールディングス)を作り、X社とY社がともにその子会社となることで、2つの組織は存続します。
持ち株会社って何?
持株会社とは、いわゆる「○△ホールディングス」と呼ばれる会社を指し、株式の保有(支配)を主な目的とした会社です。
なるほど!
バンダイとナムコでバンダイナムコホールディングスになったのもこのパターンね!
続いて、合併とは「複数の企業が、完全に一つの会社になること」を指します。
A社とB社が合併すると、資本や組織をいずれかが吸収して、完全に一つの企業となります。
これを吸収合併と言います。
新たな企業を設立する新設合併という方法もありますが、手続きが煩雑なため、あまり一般的な方法ではありません。
2.「経営統合」と「合併」それぞれの特徴とは
■経営統合の特徴(メリット/デメリット)
- 統合した各社の組織や資本が存続する。
- 人事やシステム統合の手間が省ける。
- 各社の独立性が維持されるため、合併と比較してシナジー効果が生まれにくい。
ここでいう「シナジー効果が生まれにくい」とは、合併であれば削減できるコストを、経営統合では削減出来ない可能性が高いという意味です。
■合併の特徴(メリット/デメリット)
- 組織の一体感が醸成され、研究開発面でのシナジー効果が期待される。
- 完全に一つの組織にすることで、各企業において重複していた部門や機能を一つにまとめることができ、コスト削減に繋がる。
- 合併実施のコストが大きく、実施後の人事やシステム統合が課題となる。
3.まとめ
・経営統合
「複数の企業が、持ち株を管理する新しい会社(持ち株会社)を作り、その傘下に入ること」
⇒人事やシステム統合の手間が省けるというプラス面があるが、各社の独立性が維持されるため合併と比較するとシナジー効果が生まれにくい。
・合併
「複数の企業が、完全に一つの会社になること」
⇒組織の一体感が醸成され、研究開発面でのシナジー効果が期待されるというプラス面があるが、合併は実施のコストが大きく、実施後の人事やシステム統合が課題となる。
買収やM&Aに興味がある方はこちらの記事もおすすめです♪
~合わせて読みたい~