時代は工場野菜! 大手続々参入の植物工場のメリットとは

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人口増加と環境汚染を克服して食糧を増産するには、植物工場での作物栽培が有効です。

 

近年は天候不順で野菜の価格が乱高下することが多い昨今、畑ではなく植物工場で栽培される野菜が注目されています。

植物工場(plant factory)とは

農作物を生産する工場のことで、屋外の露地栽培とは異なり工場内の温度・湿度・光・二酸化炭素濃度などを自動制御で最適な状態に保ち、種まきから収穫まで一貫して行います。

 

近年、工場野菜の消費者の認知度、評価も上昇しています。

日本政策金融公庫は2018年1月に20~70歳の男女2000人を対象に、植物工場で栽培される野菜に関する意識調査を行い、それによると「植物工場で栽培された野菜を購入したことがある」と回答した人は21.4%で、購入したことがない人の18.9%より多い結果となりました。

2009年にも同様の調査を行いましたが、そのときは「購入したことがある」が9.2%だったので、約9年間で購入率が2倍超になったことになります。

 

また、工場野菜と通常栽培された野菜が並んでいた場合、どの程度の価格差ならば植物工場野菜を購入するのか聞いたところ、

ほぼ同じ価格でも購入する(36.9%)
多少高くても購入する(5.0%)
かなり高くても購入する(0.8%)
⇒計42.7%(2009年の調査では31.2%)

以上の通り、消費者は工場野菜の安全性が高いことを評価していることがわかります。

 

続いて、植物工場のメリットをご紹介します。

 

植物工場のメリット・強みとは

①安全性が高い

外部と遮断されているので、病原菌や害虫の侵入がなく、それらを予防・駆除するための農薬散布が不要です。

病気がなく、農薬も土もついていないので、洗浄せずに食べることができ、節水・手間の省略に繋がります。

 

②外部環境に左右されず安定的な収穫できる

冷夏や暖冬、台風などの気象変動の影響を受けることがありません。

最近は、天候不良で農作物が育たず、野菜が高騰することがありますが、植物工場なら心配はありません。

人工的に環境をコントロールするので、工業品のように形や味が一定の作物を育てることが可能です。

外食チェーンや食品スーパーは形と大きさが均一なものを求めているので、このような産業向けへの出荷には適していると言えます。

 

③栽培効率がいい

光の日照時間や温度、湿度、液体肥料の成分などをコントロールすることで、栽培期間を短縮することができます。

作物によっては、十毛作も夢ではありません。

 

④どこでも農業ができる、誰でも作業ができる

土地を購入して農業を始めるには様々な制約があるが、植物工場は敷地が狭くても対応することができ、露地栽培に比べ土地の利用効率は格段に高くなります。

露地栽培で農業のスキルを習得するには時間がかかりますが、植物工場では、決まったマニュアル通りこなすだけですので、未経験者でも作業ができます。

 

 

まとめ

今回の記事では、植物工場の良い面を解説しました。

しかし、課題もいくつか残されており、主な課題そして以下が挙げられます。

  • 工場建設の初期費用、ランニングコストが高いこと
  • 技術的には様々な作物を生産できるが、露地栽培に比べ高コストのため利益率の高い作物しか作れないこと

 

植物工場普及には課題も残されていますが、国が国策として植物工場を支援しているため、向かい風が吹いている分野でもあります。

2008年の「新経済成長戦略」が閣議決定され、その中で植物工場の普及拡大が明記されました。これを受けて政府は、2009年度の補正予算において150億円の補助金を計上して以来、財政支援を継続しています。

 

工場野菜の世間への浸透と、植物工場の動向には今後も注目です。

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