社 名:ディーエムソリューションズ株式会社
日 時:2019/2/23 13:05~13:50
場 所:ハービスHALL C会場
IRフォーラム2019大阪2日目、[6549]ディーエムソリューションズの個人投資家説明会に参加しました。
DMソリューションズは、DMや小型荷物の発送代行大手で、インターネット事業も展開しています。
1.3言で解説 DMソリューションズってどんな会社??
- DM事業とインターネット事業を展開し、13期連続増収中。
- DM事業の年間取引社数は2018年3月期時点で3500社超。(2014年3月期時点2160社)
- インターネット事業の粗利益は約40%。
2.花矢社長の経歴と上場の経緯
1995年、日栄(現・株式会社ロプロ)に新卒で入り営業ノウハウを培い、その後セプテーニへの転職でDM発送代行の知識を身につけ、2004年にDMソリューションズを設立しました。
ちなみに、日栄は当時の商工ローン最大手で、出資法ギリギリの高金利設定で利ザヤを稼いでいた会社です。
セプテーニは、ネット広告代理大手として有名ですが、当時はDM発送代行が事業の柱でした。(現在DM事業はゼンリンに譲渡されています)
日栄は、500人入社した同期が、3年後に5人しか残っていない、そんな会社だったそうです(笑)
ヤバい。今のご時世じゃ考えらんない(笑)
ちなみに上場については、DMソリューションズ設立時から目指していたそうです。
3.主力事業の強みとは
冒頭の通り、DMソリューションズは、DM事業とインターネット事業の2事業を展開しています。
売上高は、2018年に100億円を突破しており、売上比率はDM事業9割、インターネット事業1割です。
素朴な疑問なんだけど、ネット社会の今、DM需要ってそんなに伸びるの?
現状の広告市場は、DMが3800億円市場であることに対し、インターネットは1兆5000億円市場です。
DM市場は徐々に市場が縮小の傾向にあり、インターネット市場は年々拡大している状況です。
DM市場の良い点は、インターネットのように市場が拡大しておらず市場のパイは増えていませんが、それゆえに新規参入が非常に少ないためブルーオーシャンと言えます。
既にDM市場において確固たる地位を築いている点は、同社の大きな強みと言えるでしょう。
また、営業から印刷・封入・配送まで、一気通貫のビジネスモデルで、それゆえに短納期にも対応可能な点も、同社の強みです。
DMソリューションズ ビジネスモデル
出典:DMソリューションズ個人投資家説明会 資料
普通なら、デザイン会社や印刷会社、運送会社と独立した会社に委託するものだし、これを一括で請け負ってくれるのはすごいわね。
このビジネスモデルが奏功し、DM市場が縮小しているにもかかわらず、2014年から2018年にかけてクライアント数は約1.6倍に、売上高は2倍以上に成長しているんです!
事業規模は継続して拡大しているため、営業拠点、物流拠点の増床、東北エリアへの拠点新設など、市場が縮小する中でも市場のシェアを獲得するべく投資を進めているとのことでした。
同社は無配銘柄なのですが、投資家質問で、配当について質問を受けた際、まだ成長に向けた投資が必要で、利益の桁が変わった時点で初配当を検討したいと話されていました。
同社の事業はDM事業だけではありません。
インターネット事業には、SEOコンサルティングサービスやWebサイト作成を手がけています。
現在、特に注力しているのが株式会社HANABISHIから昨年12月に譲受した自動車情報サイト「MOBY」の広告収入UPです。
譲受の時点で、すでの各種広告収入を得ていましたが、今後同社が有するSEOノウハウを活用することで、更なる新規広告主獲得をはじめ収益UPをはかることを目指しています。
四季報で見たけど、MOBYのアプリ化も進めているらしいね。
認知度が上がったらさらにこのサイトからの広告収入で利益が出るわね♪
MOBYのほかにも、同社が育成中のサイトは多種多様で、ウォーターサーバー比較、サプリメント比較、脱毛サロン比較サイトなどがあります。
今後も良いウェブサイトを積極的に買収して、DMソリューションズのSEOノウハウを活用して、サイトの価値を高めていきたいと話されていました。
サイトの広告収入は人件費がかさむビジネスでは無いため、売上がそのまま利益となるビジネスになりうると社長が話されていたのが印象的です。
実現すれば、非常に高収益体質の企業になることでしょう。
サイトからの広告収入って、Googleのアルゴリズムに左右されるって前にけーさん言ってなかった?
SEO対策のノウハウはあると言っても、何か工夫はしているのかしら。
(ここからは少々専門的な話になりますが、)Googleのアルゴリズムは不定期で変更され、サイトの検索表示順位が大きく変動する場合があります。
それについてはこのサイトも例外ではありません…
DMソリューションズのサイト広告収入事業で優れている点は、Googleのアルゴに大きく左右されない工夫として、PV数の多いサイトを有するパートナー企業(小学館)のサイト内に記事を埋め込むことをしています。
パートナー企業に対しては、広告収入の一部を支払ったり記事を提供したりすることでWin-Winの関係を築いています。
これによって、アルゴ変更によって同社の運営サイト自体の検索順位が下がったとしても、PVを維持することができます。
運営サイト数を増やしてこの取り組みをさらに加速させればかなり儲かりそうな事業ね♪
3.まとめ
DMソリューションズは…
- DM市場は徐々に縮小しているものの、独自の一気通貫のビジネスモデルでシェアを獲得している!
- 高い営業力で取引企業数は右肩上がりに増えており、物流拠点の増床、新エリアへの拠点設置など、継続して積極投資を進めている!
- 前期は不振だったインターネット事業が軌道に乗り始めており、今後も成長を加速させる意欲が旺盛である!
今回、個人投資家向け説明会に参加してみて、社長の話から、会社設立の沿革だけでなく、新卒で入社した会社、転職した先での経験も多く、そこでの知識が今の事業に活きているのが伝わってきた点が非常に良かったと感じます。
DMソリューションズの“DM”は、創業時は「ダイレクトメール」の略でしたが、今はインターネット事業も成長し始めているので、「ダイレクトマーケティング」の略と話されていました。
DM事業の伸びも素晴らしいですが、インターネット事業は「売上≒利益」になりうるビジネスであること、M&Aを積極的に実施していきたいということを花矢社長が話されていた点も印象的でした。今後注目していきたいと思います。
創業社長の話は、会社への思い入れも強くビジョンが明確な場合が多い、そんな傾向にあると感じます。
新興企業の株主総会や説明会には今後も積極的に出席しようと思います。
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