[解説] どうして中国政府は人民元安を嫌うの?

人民元 中国

中国は、世界の工場と呼ばれ、中国経済が10%前後の成長を続けていた時期には、輸出が大きく伸びていました。(現在は、賃金が上がりミャンマーやベトナムなどに工場は移りつつあります)

輸出が伸びれば、それだけ多くの外貨が入ってきます。しかし、企業は外貨で給料を払うわけにはいかないので、外貨を売って人民元を買います。このままだと、外貨安・人民元高になってしまいます。

一方で、人民元高は、輸出に悪影響を及ぼします。これは円高が日本の輸出企業に悪影響を及ぼすのと同じです。

これに対して、中国の中央銀行(中央人民銀行)が市中に売りに出される外貨を買うことで、急激に元高にならないように人民元の価格を維持していました。

それが、外貨準備高となり、一時、約4兆ドルまで増えました。

 

外貨準備高

外国為替相場を安定させる目的で、政府や中央銀行が外国為替市場へ介入するために保有している資産の額を指す。日本では、財務省と日本銀行が持つ外貨の総額を指し、毎月財務省が詳細を発表している。

 

その後、中国経済が減速してきたことで、海外の投資家を中心に人民元の売りが膨らみます。

中国政府にとって急激な人民元安は望んでいないのです。

 

輸入物価が上がることもありますが、最大の理由はGDPで一刻も早く米国を抜きたいと考えているためです。

 

中国のGDPは約10兆ドルで、今後7%成長を持続させることができれば十数年で米国を向くことができると言われています。

それはもちろん、ドル建てでの計算となります。

すると、人民元安ではドル建てにしたときに、増加分が減ってしまいますので、人民元を高く維持する必要があります。ですので、今度は、持っていた外貨を売り、結果、外貨準備高は約1兆円ドルまで減少しました。

 

外貨準備高を減少させるほか、

・高い関税
⇒観光客が日本で高額品を買うためには、それだけ多くの人民元を打って円を買う必要があるため

・海外送金制限
⇒海外で企業を買収すると、多額の外貨が必要になるため

これらの政策で人民元高に振れるようコントロールしています。

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