ROE(自己資本利益率)のキホン

ROEは、一般に株式投資の評価指標として用いられます。
「JPX日経インデックス400」では、投資家にとって投資魅力の高い企業を組み入れるため、ROEを考慮した銘柄選定がなされています。

今回は、投資に関わる決算用語の中で特に重要度が高いと言われるROE(自己資本利益率)についてご紹介します。

1.ROE(自己資本利益率)とは

ROE(株主資本利益率)は「Return on Equity」の略称であり、企業が株主資本を使ってどれだけ効率的に利益をあげたのかを分析するための指標です。投資の利回り計算に用いられます。
基本的な考え方としては、数値が高いほど自己資本を有効に使って当期純利益を上げていることになります。
ROEが高水準で推移していれば、その会社の将来の収益性や成長性が有望と考えることができ、株主への利益還元も期待できます。

ROEは1株当たり当期純利益÷1株当たり純資産×100 または 当期純利益÷純資産×100
で算出されます。(単位:%)

例えば、
株主資本が1億円で、1年間に500万円の利益を上げた場合のROEは5%となります。
株主資本が1億円で、1年間に100万円の利益しか出せない場合のROEは1%となります。

 

2.ROEを高めるには

ROEを高める代表的な方法は以下の通りです。

  • 負債の利用割合を上げ株主へのリターンを増加させる
  • 利益率の高い製品を開発する
  • 売上高を伸ばす、遊休資産を売却する
    ※遊休資産・・・企業が事業目的で取得した資産のうち、稼働していない資産のこと。

 

3.注目度が上がっているワケ

高ROE企業は株主資産に対するリターンが大きく、持続的な利益成長や増配が見込めると言われ、特に欧米の機関投資家が非常に重視しています。

ただ、日本では企業の資金調達手法が銀行融資に頼る形式が主流だったこともあり、企業経営者はROEをあまり経営目標として重視しない時代が長く続いていました。
しかし、2000年前後から、株式市場からの資金調達の活性化に伴い、企業経営における株主価値向上への意識が高まり、ROEの向上・維持を重視した経営を掲げる企業が増加傾向にあります。

 

4.ROEの向上に力を入れている企業の特徴

企業がROEの向上・維持に本当に力を入れているのかの判別法として、決算資料や中長期の事業計画などを参考にすることが挙げられます。

決算資料の場合は、安定して高い数値(10%前後)を出し続けているか。
事業計画の場合は、そもそもROEを経営指標として具体的な数値を目標として掲げているかどうか。

により、その企業のROEへの意識が垣間見えます。。
ROEは自己資本が大きくなると下がるため、不要な資金や資産は持たず積極的な配当や自社株買いによる株主還元を重視している企業は、ROEが高い傾向にあります。

 

5.最後に

ROEは、BS(バランスシート)上の自己資本が少なく他人資本(借入金)が多い企業の場合も高くなるため、注意が必要です。(計算式「当期純利益÷株主資本」の分母の側が小さくなるため)
自己資本が少ない場合には、業績が悪くなった場合にすぐに経営危機に陥る可能性があります。
よって、ROEを見る際は、自己資本比率が低過ぎないかなど、BSの健全性の確認も同時に重要となります。

また、ROEはその年の数値だけを見るのではなく、数年の推移を見ることが大切です。

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