金融市場では、プロ(ファンドマネージャー)とアマチュア(個人投資家)が同じ土俵に上がって勝負します。
しかも、プロの方が圧倒的に有利です。
まず第一に、得られる情報量が全く違います。また、その情報を分析する力も断然優れていることでしょう。
莫大な資金力は当然ながら、1000分の1秒単位で売買注文が行えるコンピュータまで持っています。
ここまで聞くと、プロに勝ち目がないと思った方がいるかもしれません。
金融市場でプロより個人投資家の方が有利なものが何も無いかというと、そんなことはありません。
個人投資家がプロに対して、たった一つ有利なものは「時間」です。
ファンドマネージャーの特徴とは
プロの優位性は前述の通り、莫大な資金力、豊富な情報量、高度な分析力と言えるでしょう。
プロの投資家は、ファンドマネージャーと呼ばれる専門家を雇っており、ファンドマネージャーは3か月や6か月単位でパフォーマンスを評価されます。
どのように評価されるかというと、インデックス(指数)よりどれだけ高いパフォーマンスを出しているかです。
インデックスは選ばれている企業の株価を総合的に表しているので、それらの企業の株を機械的に買えば、インデックスと近いパフォーマンスになります。
したがって、ファンドマネージャーは、インデックスを上回るパフォーマンスを出さなければ存在価値が無いということです。
仮に、インデックスより低いパフォーマンスを出してしまうと、すぐにクビが飛ぶます。
それを3か月、6か月といった短期間で評価されることになるので、厳しい世界と言えます。
これに対して、私たちアマチュアの個人投資家は、短期間で高いパフォーマンスを出すことを強いられていませんし、その必要はありません。
長い目で見て良いパフォーマンスを出すことが大切なのです。
最後に ~ピーター・リンチの名言~
大物投資家、ピーター・リンチをご存知でしょうか?
ピーター・リンチは、米運用大手フィデリティの「マゼランファンド」を年率29%のリターンを出し、たった13年間で純資産総額を700倍に増やした伝説のファンドマネージャーです。
個人投資家向けに株式投資のノウハウを解説した著書『ピーター・リンチの株で勝つ』は、世界的なベストセラーになっています。
彼の名言の一つに、
「典型的なアマチュア投資家が典型的なプロのファンドマネジャーに対して優位性をもっていることについて、私の確信はいささかも揺らいでいない」
という言葉があります。
リンチの投資手法は、利益見通しや事業モデルを重視して企業を徹底的に分析して銘柄を選定し、長期保有するというものです。
「プロよりアマチュア投資家の方が優位に立っている」という言葉には、長期保有するという点にキーワードが隠されているのではないでしょうか。
私たち個人投資家最大の武器である「時間」という強みを持っていることを理解し、長期目線で良いパフォーマンスを出すことを目指すべきでしょう。
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