最近ニュースでサーキットブレーカーって言葉を聞くんだけどなんのこと?
先物市場やオプション市場などで相場が大きく変動し、過熱してきたときに取引を一時中断することで投資家の過熱感を鎮め、冷静な判断の機会を設けるために取引所が講じる措置のこと。
サーキットブレーカー制度は、1987年の米国のブラックマンデーをきっかけにニューヨーク証券取引所で取り入れられました。
日本においては、1994年、東京証券取引所で導入されました。
直近では、日本では昨年1月にサーキットブレーカーが発動しました。
以下は、2019/1/30(水)のニュースです。
東証マザーズ先物が一時取引停止、サーキット・ブレーカー発動 現在は解除
日本取引所グループは30日、サーキット・ブレーカー発動のため、東証マザーズ指数先物の全限月取引を一時停止したと発表した。
午前10時34分から同44分まで。現在は解除されている。
現物の東証マザーズ指数.MTHRは一時7%超の下落となっている。
新薬開発で治験結果が不調だったと29日に発表したサンバイオ(4592.T)がストップ安水準で売り気配となっており、他の創薬ベンチャー関連株も連想売りを浴びている。
出典:ロイター(2019.1.30)
日本国内での発動した事例をもう少し教えて!
1.日本でサーキットブレーカーが発動された事例
①2011年3月15日
東日本大震災による福島第一原子力発電所事故について内閣総理大臣菅直人の国民へのメッセージを受けて売り注文が殺到した際、日経平均先物とTOPIX先物それぞれ、初めて2度のサーキットブレーカーが発動されました。
②2016年6月24日
英国のEU離脱を問う国民投票で離脱派が勝利、日経平均株価が急落した際に日経平均先物でサーキットブレーカーが発動しました。
2.中国市場のサーキットブレーカー制度について
中国では、2016年1月4日からサーキットブレーカー制度が導入されています。
この制度は、「中国の代表的な株式指数の1つであるCSI300の変動幅が前日比で5%を超えると全ての株式と先物の売買を15分間止め、下落率が7%に達した時点で終日売買を停止とする」というものでした。
導入されるの絶対遅すぎでしょ(笑)
逆にこのタイミングで制度ができたきっかけは!?
2015年夏に上海株式市場が急落したことを教訓に導入を決めたそうです。
が、その制度もすぐに中断されることとなりました。
なんで!?
中国の場合、発動の基準が低過ぎることから、上手く機能しなかったためです。
※サーキットブレーカー制度は、中国ではわずか4営業日しか運用されませんでした。別の政策も絡んでいましたが、その4日間で2度もサーキットブレーカーが発動されました。
中国政府の政策について関心を持たれた方はこちらの記事もご参照ください↓
3.まとめ
サーキットブレーカーとは
- サーキットブレーカーは、先物市場が大きく変動し過熱した際に、一旦、取引を停止させ投資家の過熱感を鎮めるための制度
- 日本、米国、韓国など市場が成熟した国では、制度が整備されている
~合わせて読みたい~