[2685] アダストリアの銘柄研究

アダストリア

 

みなさんは、以下のブランドをご存知でしょうか。

  • GLOBAL WORK
  • LOWRYS FARM
  • niko and…
  • PAGEBOY

 

これらは全てファッションブランドです。そしてこれら全てを手掛けているのがタイトルの企業。個別銘柄研究第5回目は、アダストリアです。

 

 

アダストリアは、 婦人服や紳士服、子供服、雑貨等の企画・製造・販売を展開しています。

いわゆるSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel:製造小売業)です。

2018年6月29日発表の1Q決算を受けて、株価の値下がりに歯止めがかからない状況が続いています。

 

1.3ヶ年計画 基本戦略(2017/2期~2019/2期)

ワールド

2018年4月に3ヶ年計画が改定されました。これは「利益」をより重視したものとなっています。

今回の中計では、目標数値は営業利益率(8.0%)とROE(15%前後)と、シンプルなものになっています。

 

なぜアダストリアが利益重視のシンプル目標を掲げたのか

前回の中計では売上高成長率と営業利益率の2つを軸として進め、高めの売上計画から高水準の在庫に繋がりました。

それに、顧客ニーズを満たす商品提供の不十分さが重なり、在庫消化のための値下げ販売増加、さらに、在庫消化を推し進めるために値下げ率が上昇して大幅営業減益という結果になったため。

⇒売上拡大以上に、利益改善をより重視したものに変更

 

今までの中長期戦略と比較すると、ライフスタイル企業への変革といった基本方針に変更はないものの、売上拡大以上に利益構造の改善に軸足を置いていることが最大のポイントです。

 

2.気になるIR

アダストリア

2019年2月期1Q決算(2018年6月29日発表)

1Qは・・・

2019年2月期1Qは、以下のような実績となりました。

  • 売上高4.9%減(27億円減)
  • 営業利益66.6%減(26億円減)
  • 当期利益95.4%減(50億円減)

 

期初計画でも営業減益を見込んでいましたが、この実績は想定を上回る減収減益であったようです。

売上減に関しては、顧客ニーズを満たす商品の提供が十分ではなく、トレンド変化への対応も一部遅れてしまったことが大きな要因となっています。

 

また、営業利益率も前年比4.6ポイントダウンとなっています。

⇒売上減に加え、春物商品を中心に在庫消化促進のため値下げ率の上昇、EC関連ポイント付与率の増強やクーポン等販促強化の実施によるもの。

 

 

●ブランドの状況は?

主力ブランド「niko and..」.は好調維持をしました。

しかし、GLOBAL WORK、studio CLIP、LOWRYS FARMなどの主要ブランドは総じて減収となり、さらに、四半期で2桁成長を続けてきたBAYFLOWも伸び悩んでいます。

 

 

●WEB事業は?

WEB事業の国内売上高は82億円で、前年同期比102.9%となりました。

ZOZOTOWN等の他社サイトでの売上と同様に自社サイトの売上も拡大しており、国内売上高の約半分の8.3%が自社ECサイト[.st]による売上です。

[.st] の会員数は740万人を突破し、前期末比40万人増と、会員数推移は好調を維持しています。

 

アダストリア

出典:アダストリア「2019年2月期 第1四半期決算補足資料」

 

Q2に向けて

春物・夏物の在庫は処分し、7月上旬時点では適正在庫とのことです。

業績回復に向けた以下の追加施策をすでに始めていて、徐々に改善に向かう見通し、としています。

 

●基盤強化施策

  • 商品企画:本社移転時に離れたプレスルームを再度本社内に取り込み、コミュニケーションを活性化
  • 店舗運営:本来の強み「店頭基点」を復活すべく、支店制度磨き上げ等顧客ニーズを商品企画に反映する体制を構築
  • 基幹システム:情報収集・連携の精度向上の商品企画・店舗運営支援を試行錯誤中。店舗POSも秋までに刷新予定

 

けーさん

実施したこの施策の影響が数字に出始めるのは、下期(3Q)からと思われます。

 

 

海外事業に関しては、韓国・台湾において2Qもniko and…を中心に好調のようです。

 

4.まとめ

ワールド

アダストリアは、冒頭記載の通りバリューチェーンに生産部門を組み込みSPA化によって事業を展開してきました。

M&Aによって、同社のバリューチェーンプラットフォームを活かすことができれば成長速度を高められると考えます。

 

今回の記事では特に取り上げませんでしたが、同社は成長に対する危機に直面する度に大きな決断を実行し、結果に結び付けてきた過去があります。

現在、業績の谷に差し掛かり業績も株価もふるわない展開が続きますが、この困難を乗り越えるトップマネジメント力はあると考えます。

 

業績回復に向けた新領域として、新事業として新子会社「エレメントルール」を設立しました。

エレメントルール社は、2017年3月に、都会で働く大人の女性に向けて高感度・高品質な洗練されたファッションを提案するために設立された100%子会社です。

設立の翌年、アダストリアから、「BABYLONE」、「BARNYARD STORM」の2ブランドが移管されました。

⇒Q1実績でBABYLONE、BARNYARD STORMが好調!

 

それと同時に立ち上がった「Chaos」、「Curensology」の2ブランドの今後の成長が期待されます。

 

けーさん

30代以上を対象としたブランドを手掛けてきましたが、高価格帯ブランドに関しては、未開拓の市場。

既存のヤングカジュアルファッションとは一味違う新ブランドで成功を収められるか、これがアダストリア復活のカギとなります。

 

業績V字回復に向けたアダストリアの戦略には、今後も目を光らせていきたいと思います。

 

 

 

 

スポンサーリンク