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燃料電池自動車(FCV)の時代が来る!? 水素ステーション関連銘柄 大本命はココ!

水素ステーション

 

経済産業省は今年3月に、新たな「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を公表しました。

新たなロードマップでは、FCVのシステムコストを引き下げ、2025年までにFCVとハイブリッド車の価格差を、現在の300万円から70万円に抑え、これによりFCVを2025年に20万台、2030年に80万台に増やす、としています。

マイ

FCVってなに?

けーさん

Fuel Cell Vehicleの略で、燃料電池自動車のことを指します。

一方、燃料電池バスの車両価格については2020年代前半に現在の1億500万円から5250万円に引き下げ、これにより、2030年にFCバスの目標を1200台にする、としています。

業界の動向については、18年3月5日に、トヨタ自動車、[7201]日産自動車、[7267]ホンダをはじめとする自動車メーカーなどが、FCV向けに国内の水素ステーションの戦略的な整備や効率的な運営に取り組む合同会社「日本水素ステーションネットワーク」を設立しています。

けーさん

以上のことから、FCV需要とともに水素ステーション需要が一層高まることが予想されます。

今回の記事では、水素ステーション関連銘柄をご紹介します。

 

 

水素ステーション 関連銘柄5社

水素ステーション関連銘柄について、2019年3月15日発売の四季報春号の見出しとその内容をご紹介します。

[8088]岩谷産業

岩谷産業は、総合エネルギー事業、産業ガス事業を展開しています。

ドイツの産業ガス大手より水素ステーション4か所を買収し、運用開始し、数年後には20か所程度に拡大する計画が発表されています。

【着 実】

産業ガスはヘリウム市況高で利幅拡大。ただLPガスが暖冬で販売量細り前号比で減額。増益幅縮小。20年3月期は主力のLPガスが販売量・価格とも復調。気温平年並み見込みで機器販売も寄与。産業ガスが堅調。水素関連投資負担増こなす。

【規制緩和】

水素ステーションはセルフ式水素補充可能に。当面は社員対象で実施し、安全性等を運用面で検証。一般拡大へ。

 

[8031]三井物産

三井物産は、三井グループ中核の総合商社です。

同社は、米国カリフォルニア州で水素ステーション開発の米FirstElement Fuel社と協業を発表しています。

“競争力ある水素ステーションの開発・整備や他地域への展開、水素インフラの充実を目指し協業を開始する”、としています。

カリフォルニア州は、独自の環境政策で温暖化ガス排出の大幅削減を目指しており、特に排出量の多い輸送領域での削減施策として、2030年までに500万台のゼロエミッション自動車導入を目標に掲げています。

【堅 調】

原油高影響でエネルギー高水準。ただ、化学はメオニチン市況低迷。金属はヴァーレの配当細る。20年3月期は機械が伸びる。追加出資した民間病院グループIHH社からの取り込み益も増え増益。

【LNG】

当社実質10%出資のモザンビークLNG(年産1200万t)は19年前半に最終投資決定の公算。ヴァーレのダム決壊事故の影響は不透明。長期化のおそれも。

 

[6331]三菱化工機

三菱化工機は、下水・排水処理などの環境関連装置や、油清浄機などを製造しています。

同社は、来たる燃料電池自動車普及の時代に対して、新型高性能小型オンサイト水素製造装置「HyGeia-A」を用いた水素ステーション建設に注力しています。

この装置は、都市ガス(天然ガス)及びLPG(プロパンガス)を原料とし、水素を製造します。

また、オンサイト型水素ステーションだけでなく、他の場所で製造された水素を輸送し、水素ステーション内の蓄圧器に貯蔵するオフサイト型水素ステーションの設計・建設にも取り組んでいます。

【回復鈍い】

排気ガス洗浄のスクラバーなど単体機械好調だが、エンジニアリングの採算回復緩慢。会社計画線の営業減益に。20年3月期の単体機械は引き続き堅調だがエンジの戻り鈍い。営業益の回復小幅止まり。資産売却見込まず、純利益は減少。

【ナノ技術】

ナノ粒子スラリーの量産化向け濾過機を拡販。4月にグループ組織再編実施、メンテナンス事業の効率化進める。

 

[6391]加地テック

加地テックは、[7003]三井E&Sホールディングスの連結子会社で、石油化学をはじめとする各種プラント向け特殊ガス圧縮機を製造しています。

また、水素ステーション向けにも水素圧縮機を製造しています。

【回復途上】

ペット成形機の受注ずれ込み、メンテ低調で期末の追い込み不発。前号より営業増益の幅は縮小。20年3月期はペット成形機、燃料電池車用水素圧縮機の受注が寄与。海外も東南ア向け拡大。工程管理徹底等で採算も改善。営業益回復途上。

【補助金】

燃料電池車向け水素圧縮機は19年度補助金増が追い風。海外は親会社三井E&Sと連携、アラブ等市場開拓に照準。

 

[6498]キッツ

キッツは、建設設備や石油化学向けに総合バルブメーカーです。

同社は、水素ステーション用バルブを開発・販売しています。

【後 退】

バルブは国内・アジア半導体向けが前半好調で数量増。建築向けも高水準。連続営業増益。韓国子会社減損。増配。20年3月期は建築用バルブ横ばい。国内・中国で半導体向け失速。上期製品値上げ効果あるが、システム償却費増加。営業減益。

【新工場】

精密濾過器子会社の茅野新工場は9月稼働、医療分野が重点市場に。アジア汎用弁戦略室新設し中価格帯を攻める。

 

 

まとめ

車

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、交通手段としてFCVの活躍が見込まれており、競技会場から近距離にある同ステーションには、多くのFCVが訪れることが期待されます。

東京オリンピックに向けて、活躍が期待されるFCVや水素ステーションの動向には目が離せません。