株式が取引される市場には、東証一部・二部やマザーズ、ジャスダックがあります。
東京証券取引所(東証)では、上記の市場を提供しています。
有価証券を取引する市場は、発行市場と流通市場に分けられます。
発行市場は、企業が新たに発行した株を投資家が購入する市場です。(具体的な場があるものではなく、概念的なものです)
一方で、流通市場は、すでに発行されている株が取引される市場で、取引の中心となるのは証券取引所です。
株式公開をすると、その企業の株は自由に売買できる状態となります。さらに証券取引所での売買が可能となるのが「上場」です。
今回の記事では、日本の上場市場(東証一部・二部、新興市場)について解説します。
1.東証一部
東証一部上場企業と言うと、「いい企業」というイメージを持たれることでしょう。
他の市場とどう違うのかと言えば「上場のためにクリアしなければいけない基準」です。
株式公開をした企業は格段に多くの資金を集めることができるようになり、また知名度やステータスも上がります。
しかし、その反面、全ての情報を公開し、常に多くの株主たちや投資家の厳しい目にさらされることにもなります。
2.新興市場「マザーズ」と「ジャスダック」
「マザーズ」と「ジャスダック」も現在は東京証券取引所の株式市場であり、新興市場とも呼ばれ、成長企業が中心の市場となっています。
マザーズという名前が意味するのはもちろん「母親たち」ではありません。
Market of the high-growth and emerging stocksの頭文字を取ったものです。(Mothers)
その名の通り「東証一部へのステップアップを視野に入れた成長企業向け」の市場です。
実際にマザーズ上場後、多くの企業が市場第一部に昇格しています。
上場基準は一部・二部と比べると緩く設定されており、高い成長可能性が重視されるため、若い企業や赤字の企業も上場することがあります。
一方で、ジャスダック(JASDAQ)も同様に成長企業が集まる市場です。
ジャスダックは、上場に実績がある程度求められる「スタンダード市場」と赤字でも将来性重視の「グロース市場」の2市場に分かれています。
ジャスダックはそのコンセプトに「信頼性、革新性、地域・国際性」を掲げており、特色ある技術やビジネスモデルを持つ成長企業が参入しやすい市場として「グロース市場」が設けられています。
上場基準の厳しさは、
東証一部>東証二部>ジャスダック(スタンダード市場)>マザーズ≧ジャスダック(グロース市場)
となっています。
その一例として「株主の人数」と「時価総額」の基準を比べてみると…
東証一部直接上場であれば株主数2,200人以上、時価総額250億円以上
東証二部であれば株主数は800人以上、時価総額は20億円以上
マザーズは株主数200人以上、時価総額は10億円以上
ジャスダックの上場基準は、株主数に関してはマザーズと同じく200人以上となっていますが、時価総額に関しては基準が設けられていません。
ジャスダックにあってマザーズにはない基準もあり、求められる企業像は市場により異なるので、単純な序列では語れない部分があるのが上場審査基準です。
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