1.指標を読み解くことの大切さ
なぜ指標を読むことが重要なのか?
それは、株式投資の熱気や煽りに左右されることがないからです。
指標は数字です。数字は正直に、また冷徹に「現実」を見せてくれます。
指標を読むことができれば、冷静な判断のもと投資が行える上、何より投資成績が向上します。
(指標を知らずして投資をすると、成果は運次第。いわばギャンブルのような行動となってしまいます。)
指標には、PER、ROEなど個別企業の内容を知るための「経営指標」と呼ばれるもの、米国雇用統計など経済全体の動きを見るための「経済指標」など、様々なものがあります。
シャープレシオなどの投資信託特有の指標も含めると、世の中には非常にたくさんの指標があります。
指標を読むことで、経済や企業の先行きが少しでも見えてきたら、投資に有利になります。
投資だけでなく、ビジネスにおいても、将来の生活設計においても、有利になることは間違いありません。
2.指標を読むときの5つのポイント
①指標の「定義」を確認する
例えば、「PER」はPrice Earnings Ratioの頭文字で、計算式はPER=株価÷1株あたりの当期純利益であることを前提として理解する必要があります。
また、日本語では、「株価収益率」ですが、厳密には、「1株あたりの当期純利益に対して株価が現在何倍かを表す指標」であることも同様に理解しておく必要があります。
例:PER=株価÷1株あたりの当期純利益
②指標の「基準」を持つ
指標の基準は、自分で考えて、自分なりの基準を持ちます。
当サイトで銘柄研究を行う際も、“PERが△倍なので割安(割高)”というように、指標については具体的数値で表現することを控えることにしています。
判断の材料を提供していくので、自分オリジナルの投資指標に対する考えを持つようにしましょう。
例:○○業界のPERは、△倍未満なら割安で△倍以上なら割高
③指標を「時系列」で捉える
時系列で捉えるとはどういうことか、というと
指標は確かに、その時々の現実を表していますが、それは“ある時点”や“ある期間”の現実、すなわち「点」でしかありません。
これを定期的に、継続的に見ることで、「線」として見ることができるようになります。
例:去年のPERは△倍、今年のPERは○倍
④指標と指標を「対照」させる
指標と指標を対照させるとは、例えば、PERだけを見るのではなく、PBRとの関係を見ることが挙げられます。指標と指標だけでなく、チャートを見て株価推移を確認することも有効です。
指標一つでは「線」にしかなりませんが、PBRなど、他の指標を関連付けて見ると「面」として見ることができます。
1つの指標だけを見て物事を判断するのは危険ですが、いくつかの指標を見て投資失敗のリスクを下げることが大切です。
そうすることで、視野も広がり、さらに投資判断の正確性も高まります。
例:PERとPBRの関係をチェック
⑤指標を基に「仮説」を立てる
仮説を立てるというと一見難しく感じますが、そんなことはありません。
初めは、頭の体操という気持ちで、
アメリカの金利は今後も上がりそう・・・
↓
ドルが買われ円安になるのではないか?
↓
円安になるとしたら、輸出関連株は上がりそうだ!
といった連想ゲームのような感覚で、で仮説を立ててみればいいのです。
また、自分が立てた仮説がその通りになるか、継続的に数字を見ていきます。初めは自分が立てた仮説通りに指標や株価が動くことはないと思いますが、それでいいのです。
大切なのは、そのときに自分の仮説を振り返り見直すことです。経済や企業の指標は様々な要因で動きますので、正解はありません。
それでも、根気よく仮説を立て指標を見続けていると、精度が上がり少しずつですが先が見えるようになります。
例:大幅にPERが上がっているのは、○○だからでは? 円安が続くなら輸出関連は株価が上がるかも?
3.まとめ
指標を読むことができれば、
- 冷静な判断のもと投資が行える。
- 投資だけでなくビジネス・将来の生活設計においても有利に!
指標を読むときは・・・
①指標の「定義」を確認する
②指標の「基準」を持つ
③指標を「時系列」で捉える
④指標と指標(株価推移)を「対照」させる
⑤指標を基に「仮説」を立てる