以下は、2020年4月10日のニュースです。
PKSHA-急落 臨時株主総会の開催と資本金の額の減少付議を発表
[3993]PKSHA Technologyが急落。同社は9日に、臨時株主総会の開催、および臨時株主総会において資本金の額の減少について付議することを発表した。
2020年2月29日現在の資本金の額125億6038万9290円のうち 125億5038万9290円を減少し、1000万円とする。
今回の資本金の額の減少は、今後の資本政策の柔軟性および機動性を確保することを目的として、行うものという。
資本金の額の減少は、貸借対照表の純資産の部における勘定科目間の振替処理であり、同社の純資産額に変更はないとしている。
出典:トレーダーズ・ウェブ(2020/4/10)
125億円から1000万円に減資!?
そんなことってあるの!?
僕自身もこれにはビックリです。
記事にもある通り、発表翌日、PKSHA Technologyの株価は急落しました。
だよね~
上場企業で他にも減資した例ってあるの??
レッドプラネットやスリーエフなどがあります。
今回の記事では、減資した上場企業について解説していきます。
1.資本金を減資するメリットとは
資本金を減資することによるメリットは、資本金1億円以下であれば「中小企業」とみなされることです。
法人税率の一部軽減も認められるため、有利にビジネスを継続することが可能です。
PKSHAもこれ狙いなんじゃ…(笑)
推測でしかコメントできませんが、おそらく…
具体的な税金メリットとしては、年間所得のうち800万円までは、通常の法人税率30%ではなく、軽減税率19%が適用されます。
資本金についてさらに知りたい方は、こちらの記事をご参照ください↓
2.1億円以下に減資した上場企業
続いて、資本金の大幅減資を発表した上場企業一覧です。(単位:億円)
コード | 社名 | 減資前の資本金 |
3350 | レッドプラネットJ | 40 |
4564 | OTS | 91 |
2778 | パレモ | 12 |
7544 | スリーエフ | 13 |
3521 | エコナック | 35 |
4584 | ジーンテクノS | 41 |
3993 | PKSHA Technology | 125 |
1.レッドプラネットジャパンのケース
ジャスダック上場で全国主要都市で用地等を取得しホテル開発を行っている[3350]レッドプラネットジャパンは2017年3月29日に開催した定時株主総会で減資を付議し、繰越損失を塡補し、さらに上場企業としては前代未聞の資本金1円を可決させました。
これに関して、同社は「外形標準課税(の負担)が株主価値を棄損させている。減資により負担軽減などのメリットを享受」できる、としています。
ガッツリ税務メリット狙いの減資…
逆に潔くさえ感じちゃうわね…
いやほんとに…(笑)
ちなみに減資の公表後、同社は東京証券取引所からの聴取や、税務調査を受けています。
そりゃそうなるわね(笑)
一応、法令は順守していますからね…
…これ以上は何も言いません(笑)
2.オンコセラピーサイエンス(OTS)のケース
創薬ベンチャー[4564]オンコセラピー・サイエンスは欠損塡補も行わず、資本金のみを0.5億円まで縮小しました。
減資の理由を「税制上のメリットを享受」とし、欠損塡補をしない理由は「勘定科目間の振り替えにすぎない処置に意味はない」と会社は説明しています。
従来には、配当原資ともなる利益剰余金の赤字を塡補するため減資を行う企業は多かったのですが、レッドプラネットジャパンやオンコセラピーサイエンスのように節税目的と、はっきり打ち出す減資は極めて異例のことです。
利益とは関係なく、資本金や従業員数、事業所の大きさなどによって決まるのが地方税の外形標準課税であり、赤字企業でも地方自治体の道路整備やごみ収集といった行政サービスは応益負担すべきとの考えから、2004年に導入されました。
税務上、資本金1億円以下を中小企業、1億円超を大企業と分類しており、中小企業は外形標準課税は適用されないほか、国税である法人税、同じ地方税である法人事業税などの税率が低くなるなどメリットが大きくなるのが現行制度なのです。
まとめ
躊躇なく、節税のためって言って減資する会社があるのは驚きだったわ。
上場企業で堂々と宣言しちゃうところが衝撃ですね(笑)
PKSHAの「今後の資本政策の柔軟性および機動性を確保することを目的として…」ってあるけど、具体的にどういうことなのかは謎よね~
これからのPKSHAの戦略には引き続き目が離せません。
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