多くの投資家が参考にする投資指標の1つに、「PER」というものがあります。
このPERを活用することで、業績に対する株価の割安・割高水準の参考にすることができます。
今回の記事では、PERの基本と使い方を解説します。
1.PER(株価収益率)とは
PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)は会社の利益と株価の関係を表していて、株の割安度を測ることができます。
一般的に『PERが低いほど、会社が稼ぐ利益に対して株価が割安である』と言われています。
PERの算出は、
PER=株価÷1株利益(EPS)
または、
PER=時価総額÷純利益
の計算式となります。
1株利益は純利益を株式総数で割った値です。
PERが下がる条件は、分子の株価が下がる、あるいは、分母のEPSが上がることと言えます。
EPSはどんなときに上がるの!?
EPSが上がる代表的なケースは、純利益が増えた場合です。
EPSについては、こちらの記事で解説しています↓
一般的な目安は、PER15倍が妥当とされています。
ちなみに、2013年から2018年までの5年間で日経平均のPERは14~16倍で推移しています。
計算の仕方はわかったわ!
具体的な活用法についても教えてほしいわ~
公式を覚えるだけではピンときにくいですよね。
続いては、四季報の数値を用いて、PERでの分析をしてみましょう。
2.四季報で確認!PER活用法
PERの活用法について、ロート製薬と塩野義製薬の18年度PERを例に挙げて解説します。
ロート製薬の1株の株価が2857円
塩野義製薬の1株の株価が6055円
額面で見ると、株価はロート製薬の方が安いです。
しかし、1株あたりの純利益は四季報によると
ロート製薬93円
塩野義製薬が323円
ですので、PERは以下のようになります。
ロート製薬 2857÷93=30.7 ⇒ PER30.7倍
塩野義製薬 6055÷323=18.7 ⇒ PER18.7倍
以上より、PERが低い塩野義製薬の方が、数値の上では割安と言えます。
※株価と1株益は四季報2018年新春号より
3.まとめ
PERは万能ではありません。
「PERが低いからこの株は割安だ!」
というように、PERだけで投資判断するのではなく、他の指標も参考にして総合判断することが大切です。
特別損益の影響を受けやすいので、PERを過信しないようにしましょう。
また、銀行株は低PERに、IT関連株は成長力の高さから高PERになる傾向があるように、業界・業種によってPERの平均値が変わることについて理解しておくようにしましょう。
PERで他の銘柄と比較する際は、業界ごと、またはライバル企業と比較することが大切です。
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