業績を左右する!? 日本会計基準とIFRSの違い

上場している会社は、会計基準と呼ばれるルールに基づき会計処理や決算情報の開示を行います。
現在、上場企業で用いられている会計基準は、日本会計基準、米国会計基準、国際財務報告基準(IFRS)の3種類です。
会計基準を変更すると、業績や財務内容が大きく変容するケースが多く、これによって投資家の評価が変わってきます。
したがって、会計基準は、会社の経営戦略を変える可能性もあるのです。

会計基準の知識は、投資パフォーマンスに直結しにくい部分ですが、各会計基準の概要だけでも頭の片隅に入れておきましょう。

1.IFRS基準とは

IFRSとは、International Financial Reporting Standardsの略で、国際財務報告基準のことです。
EUでは2005年から上場企業にIFRSの適用を義務付けています。

経済のグローバル化に伴い各国統一の会計基準の設定が求められる中、国際会計基準としてIFRSの導入が世界的に進められています。

主な2つのメリット

(1)資金調達の多様化

国際取引において、世界基準を適用することで相手企業の経営状況を把握しやすくなります。
⇒海外投資家からの注目・信用を集めて資金調達がしやすくなります。

(2)企業運営の効率化

海外子会社と同様の会計基準を適用することで、財務情報を均一な情報として扱うことができます。
⇒正確に財務情報を比較できるので、経営方針の決定が円滑になります。

 

2.SEC基準とは

ニューヨーク証券取引所やナスダックなど、米国市場に上場する会社が米国証券取引法を根拠に適用を求められる会計基準です。
かつては世界標準に近い基準とみなされSEC基準を適用する企業は増加傾向にありましたが、IFRSに押され減少傾向にあります。
SEC基準には、日本基準と違い経常損益の概念がないため、四季報では経常利益に代わり税引前利益が記載されています。

固定資産除却損や売却損など本業に関連する項目については営業利益の段階で計上するので、SEC基準では、日本基準に対し、営業利益が過少になる傾向があります。

現在、SEC基準を適用している日本企業は約20社で、そのうちの数社はIFRS移行を表明しています。

 

 

3.日本でのIFRSの広がり

日本でIFRSの任意適用が始まったのは、2010年で、適用企業第1号は日本電波工業でした。

2015年3月時点 ・・・約40社
2017年12月時点 ・・・140社

※こちらのURLから適用企業を一覧を確認することができます。
IFRS適用済・適用決定会社一覧

2017年12月時点で今後IFRSを適用すると表明している企業は20社以上あるため、さらに適用企業は増加していくことが予想されています。

 

4.増加傾向にあるIFRSと日本基準の違いとは

日本基準では、純利益から費用を差し引いて算出した値に重きを置いてます。
一方でIFRSでは、純資産(資産から負債を差し引いた値)を重視しています。

⑴損益計算書の組み替え

日本基準からIFRSに移行する場合、損益計算書が下記の通り組み替わります。

売上高  ⇒ 収益
営業利益 ⇒ 営業活動に係わる利益
経常利益 ⇒ 《区分消滅》 ※四季報では、経常利益の代わりに税前利益を表示
純利益  ⇒ 親会社に帰属する純利益

また、貸借対照表は「財政状態計算書」と名称が変更されます。

⑵企業買収に伴うのれんは非償却

M&Aにより発生したのれんは償却せず資産計上したままとなります。
のれん償却がないことは、企業買収が利益引き下げ要因にならないため、M&Aに積極的な企業はIFRSに移行する例が多くみられます。

 

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