以下は、今年12/14(金)の日本経済新聞のニュースです。
EBITDA 4倍めざす ツナグS、24年9月期
人材サービスのツナグ・ソリューションズは2024年9月期を目標に、EBITDAを18億円程度と18年9月期実績の4倍に引き上げる計画だ。
アルバイトやパート従業員の採用代行事業を中規模企業にも広げる。
人材派遣ではM&A(合併・買収)を活用し営業地域を広げる。
出典:日本経済新聞(2018.12.14)
lこのニュースが日経新聞朝刊で報じられ、その日、[6551]ツナグソリューションズはS高まで買われました。
EBITDAって何!?
S高まで買われるってことは結構重要な指標なのかな?
読み方すらわかんない…(笑)
一般的な読み方は、“イービットディーエー”です。
今回の記事では、EBITDAに加えて、EBITについても合わせて解説していきます。
1.「EBITDA」と「EBIT」
EBITDAとは、Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略で、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益を指す。
計算式にすると、
EBITDA=税引前当期純利益+減価償却費
となります。
EBITとはEarnings Before Interest and Taxesの略で、利払前・税引前利益を指す。企業が借り入れを行っている場合には支払利息が発生し、その分利益が減少してしまうので、借り入れによるコスト(支払利息等)の影響を除いた利益を見るための指標。
計算式にすると、
EBIT=税引前当期純利益+支払利息-受取利息
となります。
どう使い分ければいいの??
創業間もない会社は銀行借入が多いため、その支払利息によって利益が目減りします。
ですので、創業間もない新興企業の収益力を分析する上で、支払利息が差し引かれたEBITが用いられます。
一方でEBITDAは、支払利息に加えて減価償却費も除いて算出される利益です。
設備を多用する企業は、減価償却費が膨らみがちとなり、利益率に大きく影響します。そこで、減価償却費を加えない利益(EBITDA)を見ることで、企業比較がしやすくなります。
⇒EBITとEBITDAは、減価償却費を利益計算に加えるかが大きなカギを握る!
今少し調べてみたんだけど、会社目標や中計にEBITを掲げる会社より、EBITDAを掲げる会社の方が多かったわ。
どうしてかしら?
2.企業がEBITよりEBITDAを目標として掲げる理由とは!?
企業がEBIT ではなくEBITDAを多く活用する理由としては、次の2点が考えられます。
- 会計基準の異なる海外企業と比較しやすいから
- 業種の異なる企業間で、設備投資、減価償却方法の違いがあっても比較できるから
各国で税率が異なったり、借入に対する利息の金利が異なったりするため、海外と国内の企業を単純比較することはできません。
しかし、EBITDAは税引前であり支払利息を考慮していないので、海外の企業ともフラットに企業間評価をすることができます。
また、減価償却の方法は、利益の状況を判断しながら、少なく計上するか多く計上するか操作が可能なのが実情です。
したがって、操作された利益ではなく、事業そのものの本来の利益を判断することができる点が、EBITDAが多く活用される要因と言えるでしょう。
特に、異なる業種同士で企業比較する場合、設備投資に影響されないEBITDAは有効であるとされています。
3.まとめ
EBITDA=税引前当期純利益+減価償却費
⇒会計基準の異なる海外企業、または設備投資、減価償却方法の異なる他業種の企業の比較・分析に有効な指標。
EBIT=税引前当期純利益+支払利息-受取利息
⇒銀行借入の多い、創業間もない新興企業の収益力分析に有効な指標。
EBITDAの計算式は、
- 税引前当期純利益+支払利息+減価償却費
- 営業利益+減価償却費
- 経常利益 + 支払利息 + 減価償却費
というように、営業利益や経常利益から算出する方法など計算方法は様々です。
※EBITについても同様です。
統一された公式が存在するわけではありませんので、データを確認する時は、どのような基準によって算出されているか注意を払う必要があります。
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