近年、AIを活用した取り組みが広がっています。
「Uber(ウーバー)」などのアプリも話題となり、近年、交通業界においてもAIが大きく活用されています。
以下は、今月5日のニュースです。
DeNA「0円タクシー」都内に拡大 AI活用し効率化
ディー・エヌ・エー(DeNA)は5日、神奈川県内で展開していたタクシー配車サービスを東京都内に拡大し、運賃を広告主などが負担する「0円タクシー」の運行を始めた。
DeNAは、自社タクシーのスマートフォン向け配車アプリ「MOV(モブ)」の利用促進につなげるのが狙い。
広告と融合した新たなビジネスモデルや人工知能(AI)を使った業務効率化でタクシー会社の囲い込みを狙う。
出典:産経新聞(2018.12.5)
「MOV」ってどんなアプリ!?
「交通不全」を打破するための一手ともいえるサービスです。
ギモンがさらに増えちゃったんだけど…
「交通不全」って何?車の渋滞とか?
車の渋滞ももちろんそうなんですが、鉄道路線廃止営業キロ数が1100km、東京圏の鉄道平均混雑率が171%といった深刻な課題を指します。
ちなみに、渋滞による経済損失が年間12兆円という発表もあるほど、実は深刻な問題なんです。
1.「0円タクシー」のビジネスモデル
「0円タクシー」は、契約スポンサーと「MOV」の広告宣伝費によって、乗客の利用料金を無料にするサービスです。
スポンサーは配車できるタクシーの車体ラッピングや、車内での自社商品・サービスの宣伝を通じて、認知獲得や購買に繋げられるとしています。
乗客は無料でタクシーに乗れるだけでなく、スポンサーの新商品や新サービスをいち早く体験できるというメリットがあります。
「0円タクシー」は、スポンサー企業・タクシー事業者と利用者それぞれにとって、大きなメリットをもたらす取り組みなのです。
そう言えば、タクシーの運賃は法律で範囲が決められているんじゃなかったっけ?
初乗り410円のニュースをテレビでやってた時に見たわ。
鋭い質問ですね。
実はこのサービス、運賃を無料にするのではなく、広告主やDeNAが負担する仕組みにすることで法律的な問題をクリアしているんですよ!
2.0円タクシー 初回スポンサーは!?
0円タクシーの初回スポンサーは、日清食品の「日清のどん兵衛」です。
車内に専用のラッピングと内装を施し、車内の専用タブレットにプロモーション動画を流します。
ユーザーがMOVアプリを起動すると、周辺を空車で走行中の「0円タクシー」のアイコンが表示され、タクシー会社選択画面から「0円タクシー by 日清のどん兵衛」を選ぶことで利用ができます。
日清食品による0円タクシーの提供期間は12月5日〜31日で、配車可能エリアは、渋谷区、新宿区、港区、中央区、千代田区付近です。
12月26〜31日までの期間限定で、乗客は「日清のどん兵衛 天ぷらそば」がもらえるそうですよ。
え~!タダで乗れてしかもどん兵衛もらえるの!?
早くこのサービスを全国展開してほしいものね!
「0円タクシー」は2019年春には京阪神への進出を計画しているそうです。
今後の事業展開が楽しみですね!
3.まとめ
「0円タクシー」によって
スポンサー企業は…
⇒車内でのサービス体験提供により、認知度UP・購買意欲の誘因に繋げられる!
タクシー事業者は…
⇒広告宣伝費の収益を得られる!
⇒タクシー利用の少ない世代の客層の取り込みが可能になる!
タクシー利用者は…
⇒タクシーの無料利用!
⇒スポンサー企業の新商品や新サービスの情報をいち早く入手・体験することができる!
プラットホーム提供のDeNAは…
⇒「0円タクシー」を起点とした「MOV」認知度UP!
⇒「MOV」利用者UP!
2019年末を目途に、AIが乗車待ちを予測し、運転手を案内するシステムを導入する予定としています。
今回の記事では、DeNAの0円タクシーについてご紹介しましたが、配車サービスはDeNAだけではありません。
- Uberは、名古屋に続き、大阪のタクシー会社と組み配車アプリのサービスを19年1月頃に始めると発表
- ソニーは、タクシー大手5社と配車アプリの新会社を18年5月に設立し、5年以内に車両台数を9万人を目指すと発表
といったように、様々な会社が参入しております。
DeNAによると、国内では配車アプリの利用は全体の1%程度にとどまるとの統計を発表しておりましたので、伸びしろ十分のタクシー配車アプリ業界には大注目です。
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