中国は今、キャッシュレス社会となっています。
決済システムに使用されるのはQRコードで、その手軽さから急速に普及が進んでいます。上海などの都市部では、財布を持ち歩いている人はほとんどおらず、支払いはスマホで済ませています。
上海の多くの人がスマホにアリペイとウィーチャットペイという中国の2大電子決済アプリを入れていて、飲食店、小売店、タクシー等はそれらの決済アプリを使用しています。
[中国] 飲食店での一般的なQRコード決済の仕方
①スマホで決済用アプリを立ち上げる。
②レジでお店のQRコードを読み込む。
③支払い金額を自分で入力し、支払いボタンを押す。
⇒これで支払い完了です!
経済産業省によると、各国のキャッシュレス決済比率(2015年時点)は日本18%、韓国54%、中国55%、米国41%と、日本は海外諸国と比較するとキャッシュレス化が遅れていることがわかります。
⇒中国ではQRコード決済がかなり浸透している!
以下は、2018年6月7日の日経新聞の記事(抜粋)です。
QR決済の規格統一、年内にも行動指針 経産省 大手銀や楽天、ドコモなどと協議会
経済産業省はQRコードを使った決済の規格統一に乗り出す。規格が分かれたまま普及が進むと、消費者や小売店の利便性を損ねると判断した。
大手銀行にヤフーや楽天などを加えた協議会を立ち上げ、年内にも統一に向けた行動指針をつくる方針。
実現すれば、モノやサービスの売買に現金を使わないキャッシュレス化が加速しそうだ。
出典:日経新聞(2018年6月7日)
上記に引用したニュースの通り、
経済産業省は近い将来、日本でもQRコード決済が進むことを見越して、その規格の統一に乗り出そうと動き始めました。
QR決済の普及によりお金の流れの中心にいるメガバンクが参入し始めています。
⇒モノやサービスの売り買いに現金を使わないキャッシュレス化の加速!
ところが、規格が統一されないままでサービスが始まると、A社ならこのQRコード、B社ならこのQRコードを使う、というように違うQRコードの用意が必要になってきます。
…さすがにそれは煩雑なことになりますので、恐らく普及しません。サービス提供者にとっても、消費者にとっても不幸なことになります。
そこで、経済産業省は大手銀行、楽天、ドコモ、KDDI、ソフトバンク、ヤフーなどが参加するキャッシュレスの推進協議会を立ち上げるとのことです。
規格統一が無事に進めば、日本もついに中国のような便利で快適なキャッシュレス時代に突入することでしょう。
今回の記事では、QR決済のメリットと今後の日本での普及に向けた課題について解説します。
1.QRコード決済のメリットとは
①ポイント還元や割引などの特典がある!
例えば、楽天ペイは200円の購入につき楽天スーパーポイント1ポイントの還元があります。
②簡単に支払いの履歴を残すことが可能!
アプリ内に購入履歴が残り、さらに決済アプリをMoneyForwardなどの家計簿アプリと連携させることで、お金の出し引きを簡単かつ自動で管理することができます。
③セキュリティ面で、紛失や盗難の際も安心!
QRコード決済は、支払い時に本人の端末とパスワードの両方が必須のため、セキュリティ面で安心です。
2.日本でのQR決済普及に向けた課題点とは
日本において、2020年の東京オリンピックを目前にインバウンド旅行者の購買意欲の促進のためにも、キャッシュレス化の普及は急務と言えます。
QRコード決済にはメリットが多いにもかかわらず、日本ではQRコード決済ではなく現金やカードでの支払いを選ぶ人が多いのはなぜでしょうか。
日銀の調査によると、モバイルペイメントを利用しない理由で多かったのは、「現金やクレジットカードの方が便利」、「セキュリティに対する不安」というものでした。
QRコード決済が便利ではないと感じる理由として、現状、QRコード決済で支払うことができる店舗がまだ少ないことが挙げられます。
そのほかにも、規格が乱立していること、使い勝手があまり良くないことも要因として挙げられます。
3.まとめ
日本でのQRコード決済に普及は、現金主義が根強く残っているという点にも課題が残されていると考えられます。
「決済アプリを銀行口座やクレジットカードと連携させて大丈夫だろうか」
「携帯では支払った感覚がなくて浪費してしまいそう」
といった考え方もあることでしょう。
一方で、銀行などの金融機関がQRコード決済の市場に本格的に参入すると、決済のインフラが整備されていきます。
- 会員IDさえあればアプリをダウンロードするだけで利用できる!
- 中国人インバウンド需要に対応できる!
- セキュリティ面は安心で、現金やクレジットカードを持ち歩く必要ナシ!
といった、QRコード決済を導入することの利便性やメリットが社会に広まることで、日本でもQRコード決済は普及していくでしょう。
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