ドライブレコーダーは、自動車に取り付けるカメラのことで、略称「ドラレコ」とも言います。
車両の前方・後方を撮影し続け、急ブレーキや衝突などの異常事態が発生すると、衝突前後の映像、位置情報、速度、ブレーキの状態などが記録されます。
事故原因の究明や安全運転意識の向上、防犯対策、ドライバー間のトラブルにも映像や音声が残るため抑止効果があるとされ、現在、利用する人が急増しています。
ソニー損害保険が3日に発表した「2018年 全国カーライフ実態調査」によると、ドライブレコーダーの搭載率は31.7%と、昨年同時期調査時の15.3%に比べ2倍を超える普及率となりました。
※実際に、電子情報技術産業協会とドライブレコーダー協議会の発表した18年7~9月期の業務用、個人用を合わせたドライブレコーダーの出荷台数は86万3209台で、前年同期比2倍となっています。
どうして最近ドラレコが普及し始めているの?
普及の大きな要因として、2017年6月に東名高速道路で発生した「あおり運転」の事故の社会問題化が挙げられます。
具体的には、東名高速道路でクラクションに因縁をつけられ、追い越し車線で停車させられたところにトラックが追突して、夫婦が死亡したというものです。
この事件を機に、安全運転意識の向上や防犯の観点からドライバーの関心が高まり、それがドラレコの需要増加につながっているものとみられます。
また、国土交通省は、2016年1月の軽井沢スキーバス事故の発生を踏まえ、貸し切りバス事業者に対し、新車については2017年12月1日、登録車については2019年12月1日より、ドライブレコーダー設置を義務づける通達を出しています。
個人利用に加えて、業務利用での普及も期待できるため、ドライブレコーダー関連銘柄は今後、注目を浴びる分野と言えます。
ドライブレコーダー 関連銘柄5社
ドラレコ関連銘柄について、2018年12月14日発売の四季報新春号の見出しとその内容をご紹介します。
[6629]テクノホライゾン
同社は、電子機器はFA関連、光学機器はレンズ技術に強みを持つ会社です。
子会社がドラレコを製造・販売しています。
光学は主力の実物投影機に前半の部材調達難響く。FA機器も中国が後半鈍化し想定以下。買収費用かさみ一転営業減益に減額。減損特損。20年3月期は投影機と買収事業の相乗効果で営業益反発。
18年末ブイキューブから電子黒板事業を7・5億円で買収。当社投影機と合わせ教育ICT市場で攻勢に。子会社工場土地建物譲渡へ、18年度上期に減損計上。
[6840]AKIBAHD
同社は、増設メモリと用途別メモリモジュール、フラッシュメモリ販売が主力ですが、グループ会社のアドテックが法人向けにドラレコを製造・販売しています。
また、フォークリフトやブルドーザやクレーン車向けドラレコの販売なども展開しています。
メモリは価格軟調だがPC用が数量増。好採算の屋内電波対策工事順調で牽引。AI向け高性能コンピュータも出荷伸長。人件費増こなし、営業増益幅拡大。20年3月期はメモリ順調、工事も堅調。
通信工事拡大で前半に20人を採用し後半も増員予定。本社に1フロア増床。借入3億円増も採用費などに充当。メモリはIoT狙い好採算の産機向けに照準。
[7292]村上開明堂
同社は、自動車用バックミラー最大手です。
ルームミラーにカメラモニター機能を搭載した「ハイブリッド インナーミラー」を開発しました。
柱の自動車用バックミラーが国内外で日系車向け数量堅調。が、北米の車種構成変化で採算悪化。国内は研究開発費重い。償却負担も増え、営業益反落。20年3月期も数量拡大だが費用重く利益鈍い。
中国・天津で18年12月にバックミラーの工場竣工、19年4月から生産開始。国内は自動化設備導入による効率化推進。さらに電子部品対応へ研究設備も増強。
[6750]エレコム
同社は、マウス、キーボードなどIT機器を展開しているファブレス企業です。
フルHDに対応したドラレコを販売しており、今年4月には180度のワイドアングルで前方だけでなく横からの映像も記録できる超広角製品を発売しています。
パソコン、スマホ関連堅調。アンテナは台風特需取り込み。法人向け伸長。流通在庫まで含めた採算管理巧みで営業益独自再増額。不動産売却特益剥落でも最高純益射程。配当一段増も。20年3月期は育成中の産業用商材など法人向けが牽引。
工場向けの堅牢タブレットや監視カメラは引き合い強いが本格的な受注には要時間。課題解決型の営業体制構築急ぐ。
[6856]堀場製作所
車両の運行管理と映像・音声記録を1台の車載装置で実現するドライブレコーダー機能付きデジタルタコグラフを製造・販売しています。
また、自動車の走行データをクラウド上で運用できるシステム「HORIBA FLEET LINKAGE」を運営しています。
自動車向け排ガス測定装置が日欧で好調だが、半導体装置が後半想定未達。増益幅縮小。独EV電池企業買収費も重い。19年12月期は規制に備え中国・インドで排ガス測定装置増。半導体装置部品もデータセンター需要復活で後半に回復。微増益。
米大学のエネルギー関連研究所を支援、自動車向け中心にシナジー模索。電動車用電池開発の独社を完全子会社化。
まとめ
今回の記事では、ドラレコの開発・製造を行っている会社を関連銘柄としてご紹介しました。
冒頭の通り、国土交通省の通達で貸し切りバス業者に対し、ドラレコ設置が義務付けられていることからも、個人の設置普及がさらに高まることが予想されます。
国策銘柄として今後注目される日が来るかも!?
この他にも、カー用品店を展開する[2666]オートウェーブ、[3190]ホットマン、[3352]バッファロー、[9832]オートバックスセブン、[9882]イエローハットなどの業績にも影響を与えることが予想されます。
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