株式投資

東芝も指定されていた特設注意市場銘柄・監理銘柄とは 整理銘柄との違いも合わせて確認

株主

 

株式を取引所に上場させるには厳しい基準があります。

仮に、その基準を守れなくなると、その銘柄は「上場廃止」となります。

上場廃止については、こちらから↓

上場廃止になるとどうなる!? 株価への影響は?上場廃止基準は?

 

突然、上場廃止になると、投資家が不測の損失を被ることになりますので、廃止されるまでの経過措置がとられています。

それが、下記の指定銘柄です。

「特設注意市場銘柄」
「管理銘柄」
「整理銘柄」

 

株式投資の基本的な内容ですが、頻繁に指定されるわけではないため、理解が不明瞭になっているかもしれません。

それぞれ区別して正しく理解できるようにしましょう。

 

 

特設注意市場銘柄とは

「特設注意市場銘柄」に指定されるのは、上場企業が上場廃止基準に抵触するおそれがあり、審査の結果として上場廃止に至らないものの、内部管理体制等について改善の必要が高いと判断される場合です。

内部管理体制とは、企業が健全に運営されるために企業内部に整えられる仕組みです。

⇒これに問題があるということは、業務が非効率である、信頼できない財務報告がなされる、法令が守られないなどの問題が起こる可能性が高くなります。

 

特設注意市場銘柄に指定された企業は、1年後に、内部管理体制の状況について記載した「内部管理体制確認書」を提出しなければなりません。

そこで、内部管理体制の問題が解消されたと認められれば、特設注意市場銘柄の指定は解除されます。

引き続き問題がある場合はさらに1年後に再提出を求められます。

 

3回提出して、それでも内部管理体制に問題があると、上場廃止となります。

 

特設注意市場銘柄一覧 日本取引所グループ

監理銘柄・整理銘柄とは

普通に売買されていた上場企業が上場廃止に至る過程で、まずは「監理銘柄」に指定され、次に「整理銘柄」に指定されるというステップを踏んで、上場廃止となります。

 

監理銘柄

上場している企業が廃止基準に該当するおそれがある場合、取引所ではその銘柄を「監理銘柄」に指定します。

⇒投資家に対して、その事実を知らせることが目的!

 

監理銘柄には監理銘柄(審査中)監理銘柄(確認中)の2つがあります。

有価証券報告書に虚偽記載をした場合など犯罪性があったり社会的影響が大きかったりする事案に関して、上場資格の審査を行う場合は、監理銘柄(審査中)となります。

それ以外の、流通量が不足している、有価証券報告書の提出遅延や株主数不足やなど、時間の経過により解決する可能性のある事案は監理銘柄(確認中)となります。

 

監理銘柄に指定されても売買は継続し、その間に上場廃止基準に該当する懸念が解消されれば、監理銘柄の指定は解消されて、普通の銘柄として売買されるようになります。

 

整理銘柄

監理銘柄に指定された銘柄は、懸念通り問題が生じ、上場廃止が決定すると、「整理銘柄」に指定されます。

原則として、整理銘柄として1か月取引されてから、上場廃止となります。

 

上場廃止の理由が破産や解散の場合は、整理銘柄としての取引期間が2週間となります。

整理銘柄に指定されると、株価は大きく値下がりしますが、投資家に売買機会を提供することに意味があります。

 

 

監理・整理銘柄一覧 日本取引所グループ