株式投資

信用取引の「買い残」「売り残」「信用倍率」って何??

信用取引 買い残 売り残

証券会社HPやYahoo!ファイナンスの銘柄情報のページで、「信用買い残」、「信用売り残」という項目を見かけたことがあるかと思います。

 

 

信用買い残、売り残で何がわかるの?

信用取引では、決済期限が6ヶ月と決められているので、信用買いした株は6ヶ月以内に売らなければなりません。信用売り(空売り)をした場合も同様です。

買い残、売り残はそれぞれ、信用取引で現在これだけの株数が買われている、売られている、ということを表しています。

 

信用買いしたまま、まだ信用取引を完了してない株数を「買い残」といいます。

これに対して、信用売りしたまま。まだ信用取引を完了していない株数を「売り残」と言います。

 

買い残が多いのは、現物取引と同じで、その企業の株価がこれから上がると考えて投資している人が多いからですが、売り残が多いのは、逆にその企業の株価がこれから下がると考えて投資している人が多いからでしょう。

こうした信用取引の残高情報は、日本取引所グループが毎日発表しているので、各証券会社のサイトやYahoo!ファイナンスなどでも確認することができます。

 

信用倍率って何?

信用取引には、「信用倍率」という指標があり、次の計算式で求められます。

 

信用倍率=買い残株数÷売り残株数

 

例えば、買い残が1万(株)あり売り残が1000株あるとき、

1万÷1000=10

で信用倍率は10倍です。

 

これに対して、買い残が1000株で売り残が1万株あるときは、

1000÷1万=0.1

で、信用倍率は0.1倍です。

 

「買い残=売り残」のとき、信用倍率は1倍となりますので、1倍以上なら買い残が多く、1倍以下なら売り残が多いということです。

 

信用買いを見ると将来の売り需要がわかる!?

信用買い残が多い銘柄は反発が鈍く、逆に信用売り残が多い銘柄は反発傾向にあります。

 

それはなぜでしょうか?

 

それは信用買いは潜在的な売り需要、信用売りは潜在的な買い需要につながるからです。

信用買い残が多い銘柄は、株価反発局面であっても信用買いの返済売りにより売り圧力が強まることが多いです。

信用取引には通常6カ月という返済期日があります。期日が到来するまでに、反対売買を行い決済しなければなりません。

そのため、信用買い残は将来売り決済が必要となるため、潜在的な売り需要となるのです。

 

反対に、信用売り残は将来の買い決済が生じることから潜在的な買い需要となります。

増加分が反対売買で決済されるのであるならば買戻しされるので、売り残の大幅な増加は株価にとってプラス要因と言えます。

 

まとめ

当然ながら、信用買い残の多さが重石になっている銘柄であっても絶対に株価が大きく上昇しないというわけではありません。

何か大きな買い材料が出たり、実需の買いが大量に流入したりすれば、信用買い残の大きい銘柄であっても株価が大きく上昇することがあります。

また、信用売り残が多い銘柄の株価は必ず上昇するかといえばそうではありません。悪材料の出現や大量の現物売りにより株価が大きく下落することもあります。

少なくとも需給の面からは、信用買い残が多い銘柄は潜在的な売り需要が、逆に信用売り残が多い銘柄は潜在的な買い需要が大きいということは間違いありません。

 

信用倍率が高く、買い残の方が圧倒的に多いということは、今後、その企業の株価が上がるだろうと考えている人が多いということですので、それを見て買おうと考える人が増えれば、株価は上昇トレンドに向かう可能性があるということを頭に入れておきましょう。