[3137] ファンデリーの銘柄研究

ファンデリー

個別銘柄研究、第3回目は先月に中計を発表したファンデリーです。

>>ファンデリー中期経営計画(2018~2022年度)

前回、シルバーライフについて調べ、同じ配食をメイン事業で展開するファンデリーに興味を持ったことが記事作成のきっかけです。

シルバーライフの考察を行ったところですので、比較しながら見てもらえるとさらに配食・宅食サービス業界の理解が深まると思います。

[9262] シルバーライフの銘柄研究
今回は、四季報厳選銘柄と紹介した銘柄の一つ、 昨年10月に東証マザーズ上場を果たしたシルバーライフの個別銘柄研究です。 1.3言で解説 シルバーライフってどんな会社
2018-03-20 23:00

ちなみに同業の上場企業では、ワタミショクブンなどが挙げられます。

 

3言で解説 ファンデリーってどんな会社?

  • 主に生活習慣病患者向け健康食の宅配事業を展開し、専属の栄養士が、塩分やカリウムなどを抑えたヘルシー食、調整食を冷凍弁当の形態で顧客に配送。
  • 全国の医療機関、調剤薬局、介護施設など約1.8万カ所で、生活習慣病患者にカタログなどを配布し紹介・宣伝するネットワークを持つことが強み。
  • 実績ROE、ROAは高水準の18.7%、30.1%。3カ年の平均売上高営業利益率は17.3%と高水準の利益率(2014年度16.4%、2015年度16.6%、2016年度18.8%)

[3137]ファンデリー 四季報2018年2集 春号

【伸 長】

【連続最高益】主柱の定期注文型健康食の宅配が件数増。マーケティング好調で2ケタ増益。留保優先で無配。19年3月期も医療機関等の紹介拠点増え、健康食宅配は好調続く。健康食品のサンプル配布などメーカー向けマーケティング支援も利益貢献。

【増 強】

【自社生産】新工場計画大詰め。食材の差別化等で顧客満足度向上狙う。疾病予防に関心高い若年層向け新商品開発も視野に。

 

医療機関・保健所・ 介護施設等向け健康食通販カタログ「ミールタイム」、調剤薬局向け「ミールタイム ファーマ」による健康食宅配サービス「MFD事業」がファンデリーの主力です。

カタログは医療機関、調剤薬局など全国の紹介ネットワ ークに置かれ、患者が診察、栄養指導などを受けた際に医師、管理栄養士から直接配布されます。(さらに、これは無償で実施しているようです)

営業費用が特にかからないので、新規の顧客開拓費用を実質的にはゼロ!

同社は患者からの注文を受ける際、必ず栄養士が血液検査結果等を踏まえたカウンセリングを行い、一人一人に合わせたメニ ューを提案します。

 

「マーケティング事業」では、この通販カタログにおける食品メーカーなどへの広告枠販売や、紹介ネットワークを活用したサンプル配布業務の受託などを展開しています。

エバラ食品、キッコーマン向けにレシピを紹介していたり、SHARP「ヘルシオ」向けには、疾患別のレシピを公開していたり、と様々な場所でファンデリーのレシピが活躍しています。

元々、この事業は、それらの収益によりカタログの発行費用を補うため始めたものでした。

メニューのボリュームゾーンは1食あたり500~600円とリーズナブルで原価率が高い中でも、小売業の中で高水準ともとれる営業利益率18.8%を実現している背景には、宅配は全て冷凍でほとんどロスが出ないという点ももちろんですが、こうした独自の超高効率のビジネスモデル確立があると言えます。

 

 

今後のファンデリー

下期は上期に注力した紹介ネットワーク先との関係性強化が深く浸透し、新規・定期購入会員数の伸びが加速しそうです。
同社は15年3月期末に紹介ネットワーク数を前年比約26%増の17,920か所にまで拡大させ、17年3月期まで17,000台後半での推移にとどめ、既存の紹介ネットワーク先との関係の深耕に注力を進めています。

これまでの地ならし期間を経て、2018年3月期は紹介ネットワーク数の拡大と関係深耕の両方は強化されるサイクルに入ることが見込まれます。

同社では、2018年3月期末の紹介ネットワーク数を20,000か所にまで伸ばす考えです。

 

財務面でも、17年3月期の自己資本比率は83.0%と16年3月期の78.5%から上昇、流動比率は581.6%と高水準です。

会員顧客からの現金売上収入が多く、流動資産が積み上がりやすいビジネスである点にも頷けます。

 

健康食通販の事業領域で実質的に競合企業がないため単純比較できませんが、会社計画の18年3月期営業利益率は18.7%で小売業としては非常に高水準です。

新規の顧客開拓費用を実質的にゼロに押さえ、冷凍による宅配で食材のロスをなくしたことでリーズナブルな価格設定を実現していることが鍵となっているのでしょう。

 

気になるIR

2017年10月31日 ファンデリー、MFD事業(健康食宅配事業)で新工場建設

この工場は同社にとって初の生産拠点となり、50億円を投じ、健康食「ミールタイム」を1日9万食生産能力を有する工場を2018年度中に着工し、2019年度内に操業する計画です。

好調のMFD事業をさらに成長させるための良い投資になりそうですね。

実質無借金経営で、自己資本には余裕があるので、仮に借入れを活用したとしても財務面での不安は少なそうです。

 

まとめ

マーケティング事業は、MFD事業・医療機関ネットワーク・栄養士ネットワークを連携させた独自性のあるビジネスモデルを構築しており、 引き続き優位性を維持しそうです。

 

冒頭で、シルバーライフと比較してみてくださいと言いましたが、

シルバーライフは高齢者向け配食サービス
ファンデリーは生活習慣病患者向け栄養コントロールした食による療養配食サービス

と、特にしのぎを削り合うライバル企業ではないと感じました。

 

新規上場した際に大株主に記載のあったVC2社は、今では1社(13,000株)だけとなり保有数も大きく減らしていますので、特筆すべき売り圧力はありません。

 

現状、同社と同じビジネスモデルで展開する競合企業は見当たらず、順調な業績拡大が続きそうですね。

ポイントとなるのは、生活習慣病患者において、本質的な改善策である食事制限や運動を行わず、医薬品に頼ることが高リスクであるということが浸透し始めてきたことでしょう。

また、同社が掲げる「一食二医」、つまり食事でコントロールが効かない場合に医療に頼るというスタンスは医療費の削減にもつながり今後の大きな需要も見込まれます。

こうした中、同社は「骨粗鬆症」の予防を目的としたメニューを開発しており、食事を楽しみながら予防が可能になるとすれば、急速に進行する高齢化社会の中で高い評価を得ることになりそうですね。

 

先月発表のの中計で掲げていた「売上高100億円、営業利益20億円の早期達成」に向けて良いスタートが切れるのか、工場新設で同社の勢いに弾みがつけられるのか、今後のファンデリーの成長に注目です。

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